このはなさくや図鑑 〜美しい日本の桜〜

桜の名前から ↑

種名または品種、栽培品種名
Cerasus ‘Jurokunichi-zakura’
Prunus mutabilis ‘Hiemalis’
 (本サイトではこの学名は使用していない)
ジュウロクニチザクラ
十六日桜・孝子桜

花弁はしわが多い。雌しべより高い位置で雄しべが目立つ。
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花床筒は鐘形、しわが多い
萼片は卵状三角形

<花の色>
 淡紅白色「9501」
<花弁の枚数>
 5枚
<花の形>
 一重咲き 中輪
<花の時期>表記のない場合は近畿基準
 3月上旬〜中旬
<特徴・来歴>
(シナミザクラ ×  )
 愛媛県松山市の指定天然記念物になっている桜です。旧正月の16日頃に開花することから名づけられました。また、小泉八雲が「考子桜」として世界に紹介したことでも広く知られています。

※様々な伝承有り。
 元々の株は戦災で焼け枯死し、現在の株は実生からのもので、親と違う形質が確認されています。残念なことですが、実生の場合、栄養繁殖ではないため元々のジュウロクニチザクラとは違うものと区別する必要があります。
 また、元々の株がヤマザクラ系のものとされる資料が散見され、甚だ元々の株がどのようなもので、現在の株は親からの形質との共通点など、推測ができなくしている要因の一つとなっています。三好学氏著の植物誌(大正11年)の記載によると元々の親株がヤマザクラ系とする形質的な特徴は少なく、昭和20年親株の枯損後、誤って伝わっている可能性があります。
 現在の株は各部の特徴からシナミザクラと他の桜の雑種と推測されます。

(今後の研究と私の推測)
 現在、松山市にある十六日桜(実生株)は明正寺と非常に良く似ており、あまり差が見られません。
 また、京都にある十六夜桜ともほとんど差がなく、今後の詳細の調査が待たれるところです。
 松山市には、ウスベニカンザクラが古くからあり、この桜がその形質からも最もジュウロクニチザクラに近いものであるように推測されます。


<成立に関係しているサクラ(種)>
C.jamasakura
C.sargentii
C.leveilleana
C.speciosa
C.itosakura
C.incisa
C.apetala
C.companulata
C.maximowiczii
C.pseudocerasus
C.avium
不明


文・撮影:藤原 このはなさくや図鑑〜美しい日本の桜〜第1集-P127

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