このはなさくや図鑑 〜美しい日本の桜〜

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学名・種名
Cerasus kumanoensis T.Katsuki
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クマノザクラ
熊野桜

高木性
散房状花序
開花からやや遅れて展葉し、若芽は黄緑色です。
開花期は3月中旬〜下旬

奈良県、三重県、和歌山県にまたがる熊野本宮大社を中心とする
南北90km、東西60kmほどの極限定された範囲に分布しています。
・花の色は白色〜淡紅色
・花弁の先は二裂する
・花径は2.5cm〜3.5cm 中輪。
・花弁は5枚、一重咲き
・花序からだいたい2個、花をつけ、花柄(花序柄)は短いです。

・花弁の形は円形の個体や卵形で基部がくさび形になるものなど様々
・花床筒は筒状鐘形
・萼片は長卵状三角形で縁は、全縁となります。
・小花柄は無毛です。
・葉身は狭卵形〜倒卵形
・葉の先は尾状鋭尖形
・葉縁は単鋸歯と重鋸歯がまじり共に粗く、先には腺があります。
・葉柄上部に蜜腺があります。
クマノザクラのホロタイプ標本(正基準標本)です。和歌山県古座川町にあります。 
果実は、直径0.8cm〜1.0cm位、黒紫色で渋みがある。

熊野本宮大社を中心とした照葉樹林の早春の山野に咲いています。

 Cerasus kumanoensis T.Katsuki in APG 69 (2): 127-133 (2018)


 平成30 年(2018 年)勝木俊雄氏によって、103 年ぶりの新種として発見、発表されたサクラです。
 様々なタイプがありますが、観賞価値の高いものもあります。
 
 カスミザクラから分れたものと考えられますが、
 集団雑種の可能性について、勝木先生に質問したところ、 その可能性は低いとのことです。
 今後、急速に全国に普及するものと思われますが、和歌山県では既に植えられているオオシマザクラによる
交雑などによって、クマノザクラの自生地に与える可能性が危惧されることから、
今後、自生地の保護が急務と思われます。




文・撮影:藤原 このはなさくや図鑑〜美しい日本の桜〜
桜樹学・桜の世界1-P39-40

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