このはなさくや図鑑 〜美しい日本の桜〜

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種名または品種、栽培品種名
Cerasus ‘Usubenikan-zakura’
ウスベニカンザクラ
薄紅寒桜・早咲吉野

早春に咲く、中輪の花を枝いっぱいにつける
花床筒は鐘形
萼片は長卵状三角形
松山市内では、三島神社・吉原熊野神社などで見られる

<花の色>
 淡紅紫色「9703」
<花弁の枚数>
 5枚
<花の形>
 一重咲き 中輪
<花の時期>表記のない場合は近畿基準
 2月下旬〜3月上旬 愛媛県基準
<特徴・来歴>
 本品種は全国で栽培されているカンザクラとは、系統が違う桜です。
 かつて、松山市生石町に原木がありましたが、現在は松山市内などごく一部で植栽されています。
 ヤマザクラとカンヒザクラとの交雑と考えられています。早咲きの桜の殆どがカンヒザクラと早咲きオオシマザクラの形質を受け継いでいるのに比べ、本品種はヤマザクラの形質も見られ、中輪でやさしい淡紅紫色の花をつける美しい桜です。
 通常ヤマザクラとカンヒザクラとは開花期が異なるため、生殖的な隔離状態にあり交雑はしにくいものと考えられますが、同地には十六日桜など、ヤマザクラを先祖とする早咲き品種が古来よりあり、それらから考察するに両種を親とする品種が誕生する気候的な条件が整っているのではないかと考えられます。
(早春の桜として・・・)
 早春の桜の品種ではカワヅザクラが数多く栽培されていますが、ウスベニカンザクラの花の色は、カワヅザクラに比べやさしい花色であり、今後優良な品種として栽培が期待されるところです。
<成立に関係しているサクラ(種)>
C.jamasakura
C.sargentii
C.leveilleana
C.speciosa
C.itosakura
C.incisa
C.apetala
C.companulata
C.maximowiczii
C.pseudocerasus
C.avium
不明


文・撮影:藤原 このはなさくや図鑑〜美しい日本の桜〜第1集-P88

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