第47章 ありがとう&愛してる

「お疲れ様でした」
「マーチング、わたしだけ昔からある色だったけど…」
「全体のバランスが取れれば」
 あみはKoh★さんとリーメルさんがあみ達の持っていない色のマーチングコーデを着ていたのでマーチング合わせに誘ってステージを終えたところだった。
「元々5人のエキシビションだったけど、3人でも何とかなるものですね」
 そんな話をしていると、モニターではまつりがソロでMagic of the peopleを歌っている。
「本当に、ここのスタジオ、もうすぐ終わりなんですね…」

 あみは終わりの近づいたムードを払拭したくて、2月という時期でもあり、れみ達に感謝をこめたバレンタインライブを提案した。
「みんなチョコだと面白くないし、わたしは飲み物にしようかな」
 あみはそう考えてエンジェルメロンソーダコーデを選んだのだが…
「えっ?あみがチョコやると思ったから、私はマカロンにしたのですが…」
「あたしもどっちかがチョコやると思って、ハート型だしグミにしたんだけど…」
 こうして、チョコ無しのバレンタインライブになったのだが…
「感謝を込めたバレンタインライブでやらかしちゃったね」
「まぁ、こういう所がわたし達らしいかもね」
「ですね」
「簡単に納得するなーっ!」
 思わずつっこむとみだった。

 チョコ無しバレンタインライブを終えて、あみは微妙に満たされない気分で楽屋に残っていた。
「さすがにこのシーズンはショコラティエ系のコーデの人多いな…あっ、あの人も」
 あと目にとまったプリマジスタもショコラティエ系だったのだが、
「あえんちゃさんに似てるな…さすがに四国からそうしょっちゅう遠征はしないだろうし」
 などと思っていると、
「あれ?あみさん!お久しぶりですね」
 少しイメチェンしていたが、あえんちゃさん本人だった。また関西方面に来ているとのことで、せっかくなので一緒にスイーツデュオをすることになった。

 とりあえず、バレンタインシーズンを乗り切った3人。
「あとは悔いの残らないライブをしておきたいね」
「ですね。私は大会をあみに任せたから、ひめめさんとのデュオをしてないんですよね」
「あ、それはあたしも一緒。クレアさんとあみがあの曲のサマーメイドでの話してたから、サマメデュオをお願いしようかな」
「私はおしゃれ着合わせとかでもいいですかね。ひめめさんの私服とかって可愛いものでしょうし」
「わたしは逆にえいえんのおしゃれプリンセスコーデでお披露目ライブかな」
「せっかくだから、ランウェイ用に別のコーデも用意して行こうよ」

 それぞれが用意したもう一つのコーデを見ながら、
「れみがファンシードリームパープルってちょっと珍しいかも」
「たまにはかわいい系も着たいと思いましてね。あみほど絶対領域を主張しないと思いますし」
「れみは色白だからね。で、とみはミックスにするんだね」
「うん。あれ?あみはアカデミーブラウン?」
「ちょっと前にブランド総選挙のコーデあったでしょ?あれ、ボトムス以外はこれが元になってるんだろうなって思って、たまたま見てたら久しぶりに着たくなったんだ」
「ちょうど総選挙コーデの人が通りかかりましたね」
 れみが見た先にいたプリマジスタを見て、
「うーん、初めて見る人なんだけど…どこかで…」
 あみは必死に記憶をたどった。
「あ…思い出した!」
 プリマジスタとしてではなく、プリ☆チャンのゲームプレイヤーとして見かけた人だった。
「あの、すみません。みにゃさん…ですか?」
「はい。そうですが…」
 相手も誰だろうという感じであみを見ている。
「わたし、あみです。何年か前、大阪でフォロチケ交換したことありましたよね?」
「え、ああ、確かに大阪でプレイしていたから、そんな事もあったかもしれません」
「せっかくだから、これで色違いっぽいデュオしませんか?」
「では、お願いします」
 こうしてあみだけはランウェイからコーデチェンジでひめめとデュオという流れではなく、1着目はみにゃさんとデュオ、後で2着目でソロという形になった。

 みにゃさんとのデュオで、あみは曲の出だしでミスをしてしまった。
「あっ」
「ドンマイです」
「いっそ、「あちゃー」を出してみますか」
 初めてのデュオなのに、ついついネタに走ってしまう。
 とはいえ、後半はちゃんとパーフェクトを出したのだが。

 あみとみにゃさんのデュオに続いて、れみ、とみが順にひめめとのデュオをした後、あみの「えいえんのおしゃれプリンセス」お披露目ソロライブが始まった。
 ワッチャが最高潮に達した。はにたんとイリュージョン発動の呪文を唱える。
「行くはに〜!」
「マナマナ!」
「マジパ!」
「チュッピー!」
 イリュージョンが発動した時だった。

 上空からひめめが舞い降りてくる。
「ひめめ?」
 ひめめの手にはクリスタルの表彰盾のようなものがある。おしゃれプリンセスクイーンの証だ。
 ひめめから授与された証をあみは高々と掲げた。あみはおしゃれプリンセスクイーンとなったのだった。
 あみは客席に叫んだ。
「みんなー、ありがとう!愛してるよーっ!」

 ライブを終えても楽屋で嬉しそうに証を眺めているあみを見ながら、れみが呟く。
「おしゃれプリンセスクイーンって、王女(プリンセス)が女王(クイーン)なのか、よく判らない称号ですね」
「でもまぁ、本人があんなに喜んでるならいいんじゃない?」
 とみのコメントに、れみはそれもそうかと思い、とみと顔を見合わせて微笑むのだった。


今回のフォト
                                     
今回のソロ・デュオ・チームユニット

リーメルさん&あみ&Koh★さん


まつり


あみ&れみ&とみ


あえんちゃさん&あみ


みにゃさん&あみ


れみ


ひめめ&れみ


とみ


ひめめ&とみ


あみ


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