光 岳 てかりだけ(2591m) No.86

登 山 日 2005.07.19
コ ー ス ―易老渡〜易老岳・光岳・茶臼岳・上河内岳・聖岳〜易老渡(1泊2日縦走)―

【第1日目】
易老渡(880m)5:00〜面平(1500m)6:20〜易老岳(2354m)8:40〜三吉平(2200m)〜光岳(2591m)10:50〜光小屋11:40〜三吉平〜易老岳13:30〜希望峰(2500m)13:05〜茶臼岳(2604m)15:40〜茶臼小屋(1594m)16:08

 【第2日目】(7/20)聖岳へ
茶臼小屋〜稜線〜上河内岳分岐〜上河内岳〜分岐〜聖平〜聖平小屋〜薊畑分岐〜小聖岳〜聖岳〜奥聖岳 /薊畑分岐〜西沢渡〜便ヶ島〜易老渡
所要時間 11時間8分
天   候 晴れ
メンバー 単独

 一泊二日(山小屋泊)で、光岳(てかりだけ)と聖岳(ひじりだけ)の2山縦走を計画して、登山口のある易老渡(いろうど)へ向かった。カーナビは、中央高速道の飯田ICから天龍村平岡を経由して道を案内したが、実際は喬木村から国道152号線経由で行く方が近かいらしい。南信濃村上島で易老渡方面へと入ると、道は細く曲がりくねって舗装からダートへと変わり、闇の中から鹿が飛び出してきた。おまけに、カーナビの案内も不能になって、もっと頭の良いカーナビが欲しいと思う。4時に無事(正直な気持ち)易老渡の駐車場に着いたが、今日の長い行程を考えると仮眠をせずに出発することにする。


易老渡登山口(対岸に急登が待ち受ける)

尾根で唯一平坦な場所「面平」

易老岳への尾根(岩場)

 早い朝食を取って、5時に出発。登山道入口は、駐車場から下流約20mにあって、遠山川に架かる橋を対岸へと渡る。道は、最初から45度もあろうかという急斜面をジグザグに登り、苦闘すること約30分で尾根上の道になるが、しばらくは急斜面のままである。登山開始から1時間20分で、樹林の中の平坦な場所「面平」に到着。倒木に腰掛けて、給水と行動食を取るが、急に睡魔が襲ってきた。眠気を振り払い登って行くと、下山者と会い「光小屋を、5時に出発した」という、「こちらも5時に登りはじめて2時間半、ちょうど中間地点だね!?」と、笑って挨拶。こんな、他愛もない出合が嬉しかった。

 易老渡から易老岳への尾根は、樹林の中の急登であったが変化のあるコースで、途中の小ピーク2ヶ所には三角点があって、地理的にも重要な尾根なのかもしれない。登り始めてから3時間40分で易老岳分岐に着き、その先5〜6mに易老岳山頂の三角点があった。光岳へは、分岐を右折してシダが茂る樹林の斜面を下って行く。右側が開けた鞍部に、「携帯可能」の看板があったので、休憩して友人に山写メを送った。樹林で倒木の多い三吉平から登りになって、石のゴロゴロした枯沢のガレ場を過ぎると静高平で、花を眺めながら水場で喉を潤した。


易老岳分岐

静高平から易老岳方面を振り返る

木道先の光小屋(後方が光岳山頂)

 イザルケ岳(2540m)への道を左に見て、センジガ原の湿原に伸びる木道の先に光小屋は建っていた。ちなみに小屋では、食事付きの泊まりは午後3時までに到着、水は静高平の水場で宿泊者が確保しなければならないという。小屋脇のテント場にザックをデポして、約15分で光岳山頂へ着いた。山頂は見通しが利かないが、すぐ先に見晴らしの良い岩場があって、光岳の名の由来となった尾根上に輝く光石を見ることができた。その後、光小屋まで戻りベンチで昼食を取るが、やわらかい日差しの中で時間が止まったようだった。


光岳山頂

尾根上の光石

易老岳山頂

 今夜の宿泊地である茶臼小屋へ向かうが、易老岳までは来た道を引き返えして、その先は樹林の中の稜線を進む。途中の木々には、シカに樹皮を剥がれたもの、風雪で人や動物のオブジェのように見えるものがあって、眺めながら歩くのも楽しいものだ。仁田岳からの尾根が右から交わる希望峰を通過して、ハイマツの中を下った鞍部に仁田池があり、木道の登山道は雰囲気のある道だ。再びハイマツの中を登って行くと、先に茶臼岳が見えてきたが、山頂は雲がかかり見えなかった。光小屋を出てから、4時間で茶臼岳に到着。山頂はガスと風で、半袖のTシャツでは肌寒くて、早々に記念撮影をして下山する。


茶臼岳

茶臼岳山頂

茶臼小屋

 山頂から尾根伝いに下るが、登山道もガスっていて分かりづらく、約20分で茶臼小屋への分岐に着いた。そこを右折して300m下り、16時08分に茶臼小屋にチェックイン、今日のゴールである。前夜不眠で歩き通した11時間、小屋のスタッフの出迎えが暖かく嬉しかった。缶ビールを飲みながら雑談して、夕食の後は寝袋の中で泥のように眠りに付いた。