ねえ触ってよ
1
『俺が死んだら、泣いてくれる?』
『当たり前のことを聞くんじゃねぇ』
『何、俺様自惚れちゃうよ?』
『自惚れればいいじゃねぇか、それ以上で返してやるさ』
『うわぁ、うわああぁ、何かすっごい恥ずかしいかも』
『…もう二度と言わねぇ』
『あ、照れてる!耳まで真っ赤だ!』
『……うるせぇ』
『やばーい、俺様嬉しすぎて心臓止まりそう』
『元も子もねぇこと言うな…』
『だって嬉しいしさ!
じゃあ、死んだら化けて出るからよろしく!』
『泣き顔見に来るってか?
死んだ後まで良い性格してやがる』
『そゆとこも好きなくせに』
『好きじゃねぇ、愛してるだけだ』
『…うっわ、うっわああああ!』
『……お前もう黙れ』
『…小十郎さん、ありがとっ!
この世の終わりまで俺様の愛あげる!!』
『間違い無くこの世の終わりの前に俺が死んでるぞ』
『細かいことはいいの!
あー、もー、ほんとさぁ、愛してるよ!』
『当たり前だろ
……佐助、愛してる』
『…何か幸せすぎて怖いくらいだ』
『いいじゃねぇか
一生なんていつまで続くか分かりゃしねぇ、
だったら俺の側で目一杯幸せになっとけ』
『いいなぁ、戦が終わったら小十郎さんとこに永久就職しようかな』
『毎晩相手してもらうけどな』
『今のはオヤジくさい!』
『顔赤くして何言ってんだ』
『不意打ちは卑怯だって』
『……くっ』
『ちょ、笑わないでくんない!?』
『いや、あんまりにも可愛くてな』
『可愛くないから!
……じゃ、俺様そろそろ帰りまーす!』
『おう、気を付けてな』
『ん、じゃあね』
『ああ』
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