嘘つきメランコリー
11
今まで誰にも晒したことの無い、生まれたままの姿
赤黒く変色し、しこりが出来、顔の形が変わってきた
醜い、と思う
膿に汚れた包帯を取り払い、愛おしそうに肌に口付けられる
美しい三成を穢しているようで、未だためらいは消え去らない
「吉継……」
それでも、三成が幸せそうに笑うのだから堪らない
世界に受け入れられたような気がした
確かに愛されているのだと、思えた
「…三成」
「っ、」
伸ばされた手を握り、薄い唇に口付ける
微かに震える唇に愛しさが募る
きつく閉じられた瞼が愛らしい
舌先で唇を舐め上げればそっと開かれ、熱い口内で三成の舌と絡み合う
舌を吸い、やわく噛み、歯列をなぞる
三成の鼻先から抜ける吐息に興奮が高まる
背に回された腕に力が入っていくたびに、喜びが溢れる
「ん、ぁ」
「…ヒヒッ、ぬしはうぶいな」
ぼんやりと頬を赤らめながら見上げてくる三成の髪を撫で、
鼻の頭同士をくっつけたまま笑ってみせる
不満そうに視線を逸らす仕草にまた笑みが深くなる
「ああ、愛し、われの三成」
耳の横でささやくように呟けば、
林檎のように真っ赤になり嬉しそうに微笑む
「…吉継、好きだ」
「ヒ、ヒヒッ、われもよ
心からぬしを好いておるわ」
視線が絡み合い、どちらとも無くまた口付ける
これほどに幸せな時が存在しえるのかと思った
あまりの幸福にこのまま発狂するかもしれないと思った
何度も何度も、貪るように三成の唇に口付けた
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