Happy   Birthday   side/元親











毛利の家からの帰り道にあった花屋で、柄にもなく花束を買ってみた

驚くだろうとか、笑ってくれるだろうと思っていると、
それだけで楽しくなってニヤけてしまった

三成が欲しかった

それこそ一目見たその日から、ずっと三成が欲しかった

俺だけが三成にとって唯一の存在になれるように、傷付けた
素知らぬ顔で励まし続け、誰よりも側で三成を見守った

怯えることを申し訳なさそうにする姿の何て可愛いかったかことか!
完全に信用しきってはにかみながら微笑む顔の何て綺麗だったことか!

あの日から一年でおとせた自分を褒めてやりたかった

記念すべき一年ぶりの三成の誕生日に、
三成にとっては初めて、俺と体を重ねた

バースデーソングに怯え、ケーキを不快そうに睨み付け、
優しくしてやればやるほど、思い出して真っ青になった三成

体を重ねる時でさえ、頭を撫でてやれば肩を震わせ、
かすれた声ですまないと呟いていた

忘れた顔して、いつも通りに戻った顔して、
何一つ忘れていない三成に愛が募って仕方なかった!

「三成ィー!帰ったぞー!」

「ああ、夕飯は出来ている」

「おう、さんきゅ
……んで、これやる」

「………私にか?」

「…アンタ以外にいるわけねぇだろ」

「………かっ、感謝、する」

頬を真っ赤に染めて、ぎこちない感謝の言葉を言う三成を抱きしめる
俺の肩口に顔を埋め、ぐりぐりと額を押し付けてくる三成に、
愛しさと嬉しさを噛みしめながら、真っ赤に染まる耳元でささやいてやる

「………一生離してやんねぇから、覚悟しとけよ?」






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