意識の物質化
未だ私たちが言葉を持たなかった頃、感動のあまり胸を割っていでた声が、捉えた世界をたった一音にしてしまったことから、音が世界を内包し、抑えきれぬ感動を響き返す心の化身であることを知った。
この感動の一音こそ、発声した瞬間の心そのもの、言葉はその感動と感動の連続体、心の絆なのではないのか。
同じ光景を見て、違う音を発してしまったことから、互いが共有する世界を表す言葉が生まれたのではないのか。
『あや』