【 アルブレヒト・デューラー「自画像」 】    

(1471〜1528)


デューラーはドイツ・ニュルンベルグの画家です。
私も生家を2度訪れたことがあります。

イタリアに留学して「遠近法」「人体比例」「ルネサンスの精神」を学びました。
これらが北方の緻密な画風に加わり、比類なき見事な芸術をつくりあげました。

この自画像で注目されるのは角度。

古代美術や宗教美術に特徴的な顔を真正面から描く視点は
「フロンタル・ビュー(正面視)」と呼ばれ、
描かれた人物を礼拝像のように聖化し神格化する作用があります。
また、真正面から描いて立体感を出すのはかなりの技術が必要とされます。

デューラーは自画像を真正面から描いたのです。
髪型もイエス・キリストを意識しています。

― 「別冊宝島EX絵画の読み方」(宝島社)参照 ―



アルテ・ピナコテーク所蔵(独ミュンヘン)