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[本ページの最終チェック日 : 2020/1/16]
(2017年5月5日アップロード)
英国ジャズレコードのコレクションにのめり込みだしたころ、毎日のように顔を出していたレコード店のマスター S さん(すっかりご無沙汰だ)に、「 7 インチ盤に手を出すと泥沼だ」みたいなことを言われた記憶がある。まあ、そう言われたからではなく、「 LP でいっぱいいっぱい」で、 7 インチ盤までには手が回らずにここまで来てしまったというのが正直なところだ。そもそも、マイコレクションのメインである 60 年代後半以降のニュージャズについて言えば、先日紹介したデラムのシングル盤などを除いて、7 インチ盤はあまりリリースされていない(たまにあると「レアもの」になったりしているが)。
一方、50 年代から 60 年代にかけてのハードバッパーにはレアな7 インチ盤が多く、マイコレクションはこれらについてははなはだプアな「品揃え」だ。テンポレーベルの EP 盤などは、そのほとんどが「手つかず」で高嶺の花に終わりそうな気配である。
そのようななかで、例外ともいえるのが、本コンテンツで紹介するトニー・キンゼイの 7 インチ盤だ。幸か不幸か高価なテンポ盤が(たぶん)無かったこともあり、マイコレクションには結構な数のキンゼイの 7 インチ盤がシングル、EP ともにある。これらの多くは、たぶん(他人事のようだが) 80 年代から 90 年代にかけてたびたび「参加していた」英国の小さなオークションで「まあまあ」安価な bid で入手できたものだ(ジョー・ハリオットがらみのアイテムなどを除き今も「お手頃プライス」かな?)。
本コンテンツではキンゼイ名義の 7 インチ盤(シングル盤と EP 盤)について書く。いつものセリフになるが、これらについては「先人の業績」があるが、当方なりに整理して以下に紹介することとしたい。
「先人の業績」は他にもあるかもしれないが、今回、主に参照したのは以下の 2 つのサイトである。
# http://www.45cat.com/artist/tony-kinsey
# http://henrybebop.co.uk/kinsey.htm (ともに 2017 年 5 月 5 日閲覧)
今更だが、トニー・キンゼイ TONY KINSEY は、 1927 年生まれの英国のドラマーで、50 年代から 60 年代にかけてデッカレーベルから多くのリーダー作品をリリースしたほか、「英国ハードバップ時代」の重要なドラマーとして、また、歌伴のキー・パーソンとして、英国有力ミュージシャンの数多くのセッションに参加している。 70 年代以降はライブラリーミュージックを中心に多数のアルバムをリリースし、その活動は 80 年代に至るまで続いた。本年 10 月には 90 歳になる。
( 7 インチ シングル )
後述する 1954 年録音の EP 盤をエスクァイアレーベルから 4 枚?リリースしたキンゼイは、 1955年以降、デッカレーベルから LP の他、多数のシングル盤と EP 盤をリリースする。それらのうち、まずシングル盤について書く。これらのシングル盤については、すべてについて確認できたわけではないが、 SP 盤が同時?リリースされたようだ。ピクチャースリーブ付きは見当たらず、たぶん、すべてがカンパニースリーブ仕様である。以下、番号順に紹介する。A 面、B 面の順に収録曲名を、また、分かったもの(「憶測」を含むが)については録音日を記す。スリーブ写真にはセンターレーベルを掲載しておく。
なお、曲名に * を付けたものは次の編集盤(リリース年不明、デッカ盤は確認できず)に収録されている。
# THE TONY KINSEY QUARTET - KINSEY RHYTHM (LONDON LL 1517)
*
[スリーブ写真をクリックすると、収録曲名のリストが別ウィンドウで開きます。]
A. THE TONY KINSEY QUARTET - SHE’S FUNNY THAT WAY* / FASCINATIN' RHYTHM* (DECCA 45-F 10548) (1955-5-17)
エスクァイアレーベルからの移籍第 1 弾?。この 2 曲はジョー・ハリオットをフィーチャーした作品。
B. THE TONY KINSEY QUARTET - CLOSE YOUR EYES* / PIERROT (DECCA 45-F 10606) (1955-8-3)
こちらはロニー・ロスをフィーチャーした作品。
C. THE TONY KINSEY QUARTET - HEY! THERE* / BALLET* (DECCA 45-F 10648) (1955-10-18)
同じくロニー・ロスをフィーチャーしたカルテットの演奏。
D. THE TONY KINSEY QUARTET WITH DILL JONES - "THE BENNY GOODMAN STORY" - STOMPIN' AT THE SAVOY / CHINA BOY (DECCA 45-F 10708) (1956-2-20) ( 7 インチ盤は未見、 SP 盤を所有)
E. THE TONY KINSEY QUARTET WITH DILL JONES - "THE BENNY GOODMAN STORY" - MOONGLOW / ONE O'CLOCK JUMP (DECCA 45-F 10709) (1956-2-20)
同じくロニー・ロスをフィーチャーし、ディル・ジョーンズをゲストに迎えたクインテットの演奏によるこの 2 枚は、「べニー・グッドマン・ストーリー」という共通のタイトルが付けられている。同一セッションでの録音。
なお、アイテム D の 7 インチ盤のセンターレーベルの写真が入手できないので、 SP 盤のセンターレーベルを掲載しておく。ちなみに、SP 盤の規格は「 F.10708 」。他の SP 盤についても「 F.xxxxx 」となるようだ。
F. THE TONY KINSEY QUARTET - STARBOARD BOW* / BODY AND SOUL* (DECCA 45-FJ 10725) (1955-10-18) ( 7 インチ盤は未見、 SP 盤を所有)
番号が飛んでいるが、たぶんアイテム C と同一セッションの演奏を収録した作品。
[ 2020 年 1 月 16 日 追記 ]
7 インチシングル盤を入手した。
G. THE TONY KINSEY QUARTET - ISOLATION* / LULLABY OF THE LEAVES* (DECCA 45-F-J 10760) (1956-4-30 (side A), 5-28 (side B))
同じくロニー・ロスをフィーチャーしたカルテット作品。
H. THE TONY KINSEY QUARTET - IN A DITCH / A SMOOTH ONE* (DECCA 45-F-J.10773) (1956-4-30)
前項アイテム G、 A 面とたぶん同一セッションの演奏を収録。
I. THE TONY KINSEY QUINTET - MEAN TO ME / SUPPER PARTY (DECCA 45-F-J 10851) (1956-10-18)
1956 年秋以降の録音作品はクインテット名義となった。本作の 2 曲は、ドン・レンデル、ロニー・ロスをフィーチャー。
J. THE TONY KINSEY QUINTET - BLUE EYES / THE MIDGETS (DECCA 45-F-J.10952) (1957-10-7)
トランペットがフィーチャーされた 57 年録音の本作がデッカ、シングル盤の最終作か。
おまけにもう 1 枚。
K. THE TONY KINSEY QUINTET - ISOLATION* (DECCA DRX. 21905) (1956-4-30) ( A 面のみのサンプル盤)(未見)
片面のみ収録されたサンプル盤。これは上記アイテム G の A 面を収録したものだが、他のシングル盤についても同様のサンプル盤が作成されたらしい。
ちなみに、マイコレクションには上記アイテム I のサンプル盤(片面ディスクの 2 枚組 = DRF. 22527/8 ) がある。
デッカ盤以外の 7 インチシングル盤に次のものがある(そうだ)。
L. TONY KINSEY QUINTET - GIRL IN BLUE / WEBER THE GREAT (EMBER JBS 707) (1961-9)(未見)
これは、かの EMBER 盤( EMB 3337 )からのシングルカットらしい。センターレーベルの写真が入手できないのであしからず。
[スリーブ写真をクリックすると、録音データなどが別ウィンドウで開きます。]
A. -
***** B.-
***** C.-
** D.(SP)-
E. -
***** F.-
***** G.-
***** H.-
I. -
***** J.-
***** K.-
***** L.-
( EP )
マイコレクションのキンゼイの EP 盤は、デッカ移籍?前のエスクァイア盤が 4 枚、デッカ盤が同じく 4 枚、その後のパーロフォン盤が 1 枚の計 9 枚である。
以下、レーベル別、番号順に紹介する。
M. TONY KINSEY TRIO WITH JOE HARRIOTT - CHIRRACAHAUA / TEDDI (ESQUIRE E.P. 36) (1954-12-9)
エスクァイア盤は、なにしろ規格が「 EP 」だし、シンプルながらピクチャースリーブも付いていて「 EP 盤仕様」なのだが、片面 1 曲ずつのアイテムがある。本作もそう。ハリオットを迎えたカルテットの演奏。たぶん、 LP 未収録。
N. TONY KINSEY TRIO WITH TOMMY WHITTLE / JAZZ TODAY UNIT - NJF (NATIONAL JAZZ FEDERATION) MODERN JAZZ CONCERT VOLUME 4 (ESQUIRE E.P. 44) (1954-2-28)
これなどはまさに「スプリットシングル」。 A 面はウィットルを迎えたキンゼイのバンド、 B 面はジミー・スキッドモアをはじめとするセッションバンドの、それぞれの演奏を 1 曲ずつ収録。ちなみに LP ( A 面 = ESQUIRE 32-004*, B 面 = 同 32-005* ) からの「シングルカット」でもある( EP 盤がオリジナルという可能性もあるかなー)。なお、「 32-004 」には、キンゼイのバンドの演奏がもう 1 曲 ( " 'DOOD I DEE " ) 収録されている。
( 曲目 = A- ZOOT'S SUITE / B- I CAN'T GIVE YOU ANYTHING BUT LOVE )
[ *上記本文で紹介した LP ]
# 左 : NJF MODERN JAZZ CONCERT (32-004) 右 : 同 VOLUME 2 (32-005)
*
*
[スリーブ写真をクリックすると、録音データなどが別ウィンドウで開きます。]
O. TONY KINSEY TRIO WITH JOE HARRIOTT - THE SONG IS YOU / IT DON’T MEAN A THING (IF IT AIN’T GOT THAT SWING) (ESQUIRE E.P. 52) (1954-12-9)
上記アイテム M と同一セッションの演奏を収録。たぶん、 LP 未収録。
P. TONY KINSEY TRIO WITH JOE HARRIOTT - LAST RESORT, BEST BEHAVIOR / HOW DEEP IS THE OCEAN, GET HAPPY (ESQUIRE E.P. 82) (1954-5-13)
またまたハリオットを迎えたカルテットの演奏。本盤は両面とも2曲を収めた「 EP 」。たぶん、 LP 未収録。
Q. THE TONY KINSEY QUARTET - PRESENTING THE TONY KINSEY QUARTET (DECCA DFE 6282) (1955-5-17)
デッカ盤に変わるが、同じくハリオットをフィーチャーしたカルテットの演奏。両面とも 1 曲のみ。アイテム A のシングル盤と同一セッションでの録音だが、曲目は重複していない。B 面の「ハーレム」は 7 インチ盤のところで書いた編集盤 (LONDON LL 1517) に収録されている*。
( 曲目 = A- INTRODUCTION / B- HARLEM* )
R. THE TONY KINSEY QUARTET - PRESENTING THE TONY KINSEY QUARTET NUMBER 2 (DECCA DFE 6285) (1956-8-3)
ロニー・ロスをフィーチャーしたカルテットの演奏。両面とも 1 曲のみ。アイテム B のシングル盤と同一セッションでの録音だが、曲目は重複していない。A 面の「メイキング・ウーピー」は 前項と同じく7 インチ盤のところで書いた編集盤 (LONDON LL 1517) に収録されている*。ちなみに、その編集盤のスリーブは、本作のスリーブをアレンジしたもの。
( 曲目 = A- MAKIN' WHOOPEE* / B- I NEVER KNEW )
S. THE TONY KINSEY QUINTET - PLAY A "JAZZ AT THE FLAMINGO" SESSION No.1 (DECCA DFE 6439) (1957-5-16)
ジョー・ハリオットとボブ・エフォードをフィーチャーしたクインテットの演奏。両面とも 1 曲のみ。 LP ( LK 4207 ) からカットされた 2 曲。「 No. 2 」の EP 盤は確認できない。
( 曲目 = A- HI-YA / B- PICT'S LAMENT )
T. THE TONY KINSEY QUINTET - MY FAIR LADY (DECCA DFE 6461) (1957-12-6 (3曲), 12-30 (3曲))
両面とも 3 曲、 全 6 曲を収録。アート・エレフソン、レス・コンドンをフィーチャーしたクインテットの演奏。たぶん、 LP 未収録。
( 曲目 = A- ON THE STREET WHERE YOU LIVE, I'VE GROWN ACCUSTOMED TO HER FACE, GET ME TO THE CHURCH ON TIME / B- WOULDN'T IT BE LOVELY, SHOW ME, I COULD HAVE DANCED ALL NIGHT )
U. THE TONY KINSEY QUINTET - AUTUMN IN CUBA / SATIN DOLL (DECCA DFE 6541) (1958-3)
両面とも 1 曲のみ。 LP ( LK 4274 ) からカットされた 2 曲。
V. THE TONY KINSEY QUARTET - FOURSOME (PARLOPHONE GEP 8805) (1959-12-7)
パーロフォンレーベルからリリースされた EP 最終作? 両面とも 3 曲、全 6 曲を収録。アラン・ブランスコムのアルトサックスをフィーチャーしたカルテット。たぶん、 LP 未収録。
( 曲目 = A- FOURSOME, THE CAMPBELLS ARE COMING, MOOCHING / B- UH OH, BANDSTAND, MAN FROM GHANA )
[スリーブ写真をクリックすると、録音データなどが別ウィンドウで開きます。]
M. -
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(2017年5月)
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