オケの曲(今までにやった曲)
資料が手元にない状態で書いているので、
Beethoven
アマチュアオケでよく取り上げられるのに、私はやったことのない曲というのはいっぱいあります。 中でも、チャンスがあればやりたいと思っているのに、なぜかご縁のない曲というのがあって、一生のうちに1回はやりたいなあ、誰か声かけてくれないかなあ(といっても今は無理ですが)と首を長くして待っています。 Mozart
大変だったから、つまらなかったから、指揮者がいやだったから、と、その曲の印象が悪くなるにはいろいろな理由がある。 でも、大変だったけどすごく面白いということもあるし、1回目はつまらなかったけど、2回目にやったら、「どうしてこの曲をつまらないと思ったんだろう!?」ということもある。 たいていの曲は、最初は「つまんない」と思っても、練習しているうちにいいところが見つかったり、コンチェルトだったりすると、ソリストに触発されたり、で終わってみればもっとちゃんと練習すればよかった、という思いが残ることがほとんど。 しかし、何回かやってもやっぱり「もういや!」という曲がある。それは、曲の善し悪しには必ずしも関係ない。 チャイコフスキー
シベリウス
オケに関わったことにない人は、オーケストラの練習ってどういうふうにやるんだろう?と興味を持っているかもしれません。 私はアマオケのことしかわかりませんが、プロオケの練習について見聞きした数少ない経験からいうと、練習の内容はさほど違わないようです。ただ、やはり密度が違います。プロは、1回から3回くらいの練習で本番に望みますが、アマチュアは、オケによっても違いますが、多分10回くらいは全体の練習をするでしょう。 そのほかにパート(ヴァイオリンとか、フルートとか)ごとに練習をすることもあります。今では、アマオケも指揮者にプロを頼むことが多いので、指揮者が「アマだから」といって妥協しない人だと、練習は大変厳しいものになります。 最近やっていたドラマに「それが答えだ!」というのがあったのを知ってますか? 才能はすごくあるけど傲慢な指揮者がプロオケにボイコットを受けて、ふてくされて田舎に引っ込み、そこの高校でオーケストラ部の指導をするうちに音楽の本来の姿に目覚め、再びカムバックするという話でした。
オケと指揮者の関係って、微妙です。私個人の経験からいうと、初対面の指揮者との最初の練習は、オケにとって(たぶん指揮者にとっても)緊張の一瞬です。練習がうまく行くかが、ほとんど最初の5分くらいで決まってしまいます。指揮者が音楽に対してどんな姿勢でいるのか、オケにどの程度のことを要求しているのか、すぐわかってしまうのです。オケに対して高圧的な態度にでるのか、下手に出るのか、対等な立場でやり合うのか、色々パターンがありますが、最初にオケに反発を買うとやっぱりなにかしっくりこない練習になってしまいます。 最近のアマオケは結構自負心があるので、指揮者の品定めにも厳しいものがあります。単に「ルックスがいや」というのから、しゃべり方、もちろん音楽への造詣の深さ、情熱の高さ、などチェック項目はいっぱいあります。指揮者というのは基本的に、様々な指示やら文句やらを発して、自分の思うとおりの音楽をやってもらうべく、オケの人間を動かしていくのが仕事なわけで、音楽的のみならず人間的魅力がないとうまくやっていけないと思います。やっぱり、やなやつにいわれても素直に従おうって気にはならないですよね。でも、音楽面がよほどすごいと、性格には目をつむって「よしやったろうじゃん」という気になるかもしれません。 去年、やはりアマオケ(市民オケ)を扱ったドラマがありました。「君が人生の時」というタイトルでしたが、これは見ていて、ちっと恥ずかしかった。渡辺いっけいがコンサートマスターをやっていたのですが、メンバーが練習にあんまり出てこないのに怒って、「こんなんじゃ、演奏会なんてできないよ!中止する!」なんていってみたり、「みんなでわいわい楽しくやれればいいと言う人もいるかもしれないが、ボクは違う。いい音楽をやるために来ているんだ。意見が違う人はやめてもらっていい!」とか。まあ、アマオケの問題点は確かに表してはいるけど、こうあからさまに言われるとなんだか気恥ずかしいのです。 またそれに、高嶋弟扮する市民ホール職員のティンパニー奏者が、「それは言い過ぎじゃないですか?みんなに会えて楽しいから集まるっていうのだっていいじゃないですか?」とか正論(?)をぶったりして、ああっ恥ずかしい! おまけに、市民ホールの職員(市役所から出向している。渡辺いっけいは支配人)が、5人もオケのメンバーで、職場でもオケの話なんかして、こんなことあるかしらん?この研究所ではクラシック好きな人は結構いますが、世間では、オケやってる人なんてごくごく少数派で、同じ職場に同じオケの人間がいるなんて稀です。 もうちょっと取材して作ってほしかった。
そんなにコンサートに数多く行く方ではありません。思いつくと行く、という程度。そんな数少ない経験の中で、特に印象の強かったコンサートを思い出してみました。 クラシックのコンサートはなかなか当たり外れが大きいように思います。しかも、意外とはずれが多い...。可もなく不可もなくというコンサートはたいてい眠いし、下手だと不快感で疲れます。私は、知らない曲だと特に身構えて聴きに行きます。割り切って寝てもいいのですが、たいていは自腹を切っているのでやはり何か得るものがないと悲しいので。 でも、いい演奏に当たると、ホール全体が一体化するような、空気が変わるような感覚が味わえます。今までにほんの数回しかであったことのないそんな演奏会とは、、、、 たぶん1988年ころ昭和女子大人美記念講堂にて
たぶん1988年ころの秋
アマチュアのオーケストラにも、お仕事の依頼が来ることがあります。 プロオケを雇うとお金がかかるので、アマで安上がりに済まそうということなのでしょう。 仕事の内容は、歌手のレコーディングのバックだったり、音楽番組の伴奏だったり、いろいろです。 結構有名な人に会えたりすることもあります。 しかし、一度、たいそう奇妙な仕事がありました。 確か、「コマーシャルフィルムのバックミュージック」というはなしだったんだと思います。 マーラーの交響曲第9番の4楽章という渋い選曲でした。 ゆったりした曲で、テンポの伸び縮みも激しく、表現がいろいろあり得るので、指揮者の技量が試される(もちろんオケも)曲です。 「誰が振るんだろうね」と、不安と期待半ばで練習場に向かった私たちでした。 そう、普通ならこういう仕事は1-2時間練習してその場で録るんですが、このときはまず練習で2時間、1週間おいて本番というスケジュールでした。 行ってみると、ずいぶん若い男の人が、収録の説明を始めました。「この録音を環境ビデオに使うつもりなんです」とのこと。 私たちは、内心「えー?」 という感じ。 「なんかピンとこないよねー(曲のイメージが)」とこそこそ。 さて、練習です。 どうやら、この若いのが振るようです。 指揮棒を構えました。 棒が動いた........!!??? いったいいつ音を出したらいいの??!!! わああーーー、こいつどしろーとだああっ。 この曲は基本的に4拍子の曲なのです。 中学の音楽の時に習いましたよね、4拍子の時の指揮棒の動かし方。 オケの指揮者は舞台の上では好き勝手に動いてるように見えますが、あの動きの根底には、この基本の振り方が隠されているのです。 それに、音を出す瞬間を示すためには、その前に指揮者が動いて合図をしなければなりません。ところが、この指揮者(というか棒を振っている人)は、これをまったく無視、なんの脈絡もない動きでオケを動かそうとしているのです。 私たちは呆然とし、次の瞬間には、とりあえず指揮者を見ないでコンサートマスターを見て演奏することを決心しました。しかし、これでは音楽を作っていくことは不可能です。「ど、どうするんだろう」と、内心不安でいっぱいになりながらひととおり演奏を終えました。 どう考えても、この指揮でこの曲を仕上げるのは不可能に思えたので何人かが、「せめて4拍子で振ってくれ」とか、「誰かオケのメンバーに振らせてくれ」とか言ったのですが、その兄ちゃんは全然聞いてくれません。挙げ句の果てには、「いや、CDを聴いてもここは合ってないから混沌としてていいです」と言い出す始末。 そういう問題じゃないでしょ! 仕事を取ってきたオケのマネージャーもあわてたと思います。とりあえず休憩となりましたが、そこへ天の助けが! 練習会場は、某市の文化会館のような所だったのですが、そこで私たちの前の時間に練習をしていた市民オケの指導をしていた指揮者(プロ)が、マラ9(マーラーの9番のこと)やるなら見に行こう!と物見遊山で助手を連れて見学に来たのです。まさに、天の助け。 早速マネージャーが掛け合って、助手の人に練習をつけてもらうことになりました。この人は、一度グローバルの連習を見てもらったことのある方で、顔見知りです。ただ、ぶっつけでかわいそうではありました。指揮者だって、どういうふうに棒を振るかを事前に勉強してからでなければ、ちゃんとした練習はできないのですから。 でも、とにかくやっとまともな練習ができるようになりました。オケの方も、この曲をそんなにしっかり把握していたわけではないので、本当に助かりました。何とかまとまってきてほっとしたところ、さっきの若いのが、「ボクもプロですから(なんの!!?)ここで引き下がるわけには行きません。」とか言って、またこいつの指揮で演奏する羽目に。でも、本職の指揮を見て、ほんのちょっとまともな指揮になったような気がしました。 さて、次の週です。「反省して勉強してくるかなあ?」という淡い期待を抱きながら練習場に向かいました。また、あの若いのです。今度は、いきなり口上を述べ始めました。「オーケストラというのは、僕が思うに、人間の作り出した最高のものの一つだと思います。素晴らしいものだと思います。」詳しいことは忘れましたが、なんか、妙に入れ込んだ口調でした。まあ、能書きはいいから早くまともに振ってちょうだい、という感じでした。 でも、、、、やっぱり前回と同じでした。 一応、仕事ですので何とか録音までたどり着き、みんな妙な疲労感を抱いて帰路につきました。 これは、いったい何だったんでしょう?CMのバックで流れたという話も聞かないし、新興宗教の宣伝ビデオだったんじゃない?というのが大方の意見でした。 おしまい。
最初に洋楽を聴き始めたのは、うちにあったアンディ・ウィリアムスのレコードがきっかけでした。彼は、映画音楽を歌うことが多かったので、そこから映画音楽へ入りました。 まだ、カセットデッキがどこのうちにもあるという時代ではなかった(いつのことだ?)。いまみたいにCDを借りてきてほいほいダビングできる時代でもなかった。まだ若かった私には、レコードを買うというのは大変なイベントで、選びに選んでやっと一枚買うという時代...。 テープに録音するのも一苦労。音源はラジオ(AM、FM)です。映画音楽だけを流す番組というのがあり、リクエストができるのもある。語学学習用に父親が買ったテープレコーダー(ラジオとかと繋がってないただのレコーダーですよ)をステレオのスピーカーの前に置き、家の人に「しーーーっ」と沈黙を求めて、タイミングを見て録音スイッチを押す。家では、インコや文鳥を飼っていたので、彼らにまで沈黙を強制するわけにも行かず、テープには、「ぴろぴろ」、「ぎーぎー」といった声が同時に記録されます。夜だと、思わぬ時間に父が帰ってきて、しゃべりながら部屋に入ってきたりして...。 こうして録音したテープには、いろんな映画音楽がat randomに並んでいたわけですが、苦労して作った上に繰り返し聴くので、途中で止まっているテープのどの部分を聴いてもすぐ何の曲かわかるようになっていました。これでドレミファどんに出ていれば優勝したかも。
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