10 // 4人の巫女あとがき

(注意:4人の巫女の話全てのネタバレです。4話全てを読んでいない方は
ネタバレにご注意ください)

「炎」
フレアの話です。フレアメインに書きたかったのですが、フレアは感情が
ほとんどないという設定ですので、彼女の心情を描く・・というのは無理が
ありました。そこで長老シェムハザにご登場頂いたわけです。
シェムハザにフレアを語らせる。おかげでフレアの話というより
シェムハザメインの話みたい・・・。
ずいぶん渋いというか地味な造りになりました。
本物のフレアが生きていたころ、というのは興味がありますね。
本物は一体でどういう性格だったのか、なぜシェムハザの愛を拒否
したのか。意外と気が強かったのかな?
(ところで、「人造人間」という呼び名を聞くと某仮面ラ○ダーを
想像して違和感を覚えるのは私だけですか?実際の放送はほとんど
見たことがありませんが。失礼しました。)

「薄氷・うすごおり」
イークレムンの話です。彼女は一応両親は判明しているし、母はネモに
殺されたとはいえ、水の神殿で神官長や巫女たちと家族のように
過ごしていて、4人の巫女の中ではかなり幸せなほうだと思います。
神聖暦1200年代の闇との闘いでは多くの悲劇が起こり、
4人の巫女たちも例外ではありませんでしたが、イークレムンは
その闘いのさなかで父親と出会うことができます。
初めて家族を持った喜び。彼女自身はEDにもあるように、自分が
旅に出るタイプではなさそうなので、アンギルダンへの手紙という形に
しました。それと、アキュリュースでの戦いで傭兵を非難する場面は
個人的に違和感があったので、それに対する疑問というか回答を
ほんの少しだけ織り込んでみました。彼女には手紙が似合うと
思います。筆まめなイメージ。

「ウインド・シア」
エアのお話です。エアと翔王の会話。エアは自分の能力や生い立ちに
ついてどう思っているのか。一部はゲーム中でも語ってくれますが、
私なりの解釈で掘り下げてみました(つもりです・・。掘り下げ度は
まだまだですが)。
エアの予知能力についてはよくわからないことが多いので、私の想像も
たくさん入ってます。エアのところに行けば未来を教えてくれる、とゲーム
内でも街の人が教えてくれますが、そんなに簡単に未来を教えていいの
かなという疑問がぬぐえず・・。みんなに未来を教えていたら世の中が
混乱するのではないでしょうか。そんなわけで勝手にああいった設定に
してあります。翔王とエアは保護者と子供のような関係でしょうね。
単性生殖により、生まれた時から両親のいないエアを導くことができるのは
翔王だけだろうな(魔力や予知などの分野において)。
強力すぎる保護者ですね。
翔王は死ぬ時をのセリフを見ても、竜王に絶対の忠義を誓っているわけ
ではなく、竜王に縛られた自分の存在と、孤独な生を送るエアを重ねて
見守っているように思えて、なかなか好きなキャラです。
(ちなみにウインド・シア=wind shearとは、気象用語で、水平または
垂直方向に風向または風速の差があること。だそうです。

「砂塵」
エステルの話です。エステルもエアと並んで設定が気になる存在ですね。
謎が多い!ラドラスのシステム、家族の存在(エステルが族長ということは、
両親はもういないのかも?)など。ゲーム内のラドラスの思わせぶりな
部屋とか気になります。行ったけど廃墟みたいで何もないところが多すぎる
! インフィニットではもしかしたらラドラスの秘密機能が明らかになるかも、
と期待してたんですが変わってませんでしたね。
砂漠の民はゲーム中ではほとんど出てきませんが、その貴重な現代
ラドラス人3人からヒントを得て書いてみました。みんなラドラスにいます。
1人は一回もラドラスの外に出たことがないという女の子。話の都合上、
勝手に「アデル」という名前を付けました。ゲーム内にアデルなんて子は
いないので、探さないでください。
あとは、エステルに連れられて初めてラドラスに行った時のみ会える、
ある意味貴重なキャラ2人。首飾り探しをして怒られている若者と
説教しているご老人(多分年配)です。
首飾り探しはエステルのオリジナルな思いつきではなく、ラドラスで
流行しているんだな、と妙に感心しました。
でも、みんながエステルみたいな特殊な首飾り&水晶を持っている
わけではないのでは、と思いまして。難しいからこそおまじないの意味が
あるだろうし。族長の特権?たびたびパーティから離脱するエステルは
プレイヤーにとってはかなりの困り者ですが、彼女もその裏で悩んで
いるんだなあ、と書きながら改めて思いました。ラドラスが墜落したから
彼女は皮肉ながらもその重荷からは解放されたわけで。
その後の彼女たち4人の巫女の運命、気になります。

古代の力を受け継ぐ4人の巫女という設定、言ってしまえばまあ
ありがちですが、インフィニットでは丁寧に描写されていて興味を
ひかれる設定です。
4つとも短いお話、読む人もゲームを何回かやっている、という
前提で書いてますので、わかりにくい箇所もあるかと思いますが、
読んでくださった方、ありがとうございました。もし、あとがきのみ読んで
くださった方がいれば、よければ本編もご覧いただければ嬉しいです。