時の過ぎゆくままに如月を迎えました。政府の補正予算も可決され、いよいよV字回復と勢いづきたいところですが、いま一つ暗雲が立ち込めているような雰囲気です。皆様にはいかがお過ごしでしょうか。
先月の弊社においては、松があけたころから毎日のようにお客様が来社され、お見積りや新規量産のお話を頂戴しました。また、自身においてはネプコンへ研修がてら出かけたりと、結構忙しくしていましたので、今月はじっくりと量産に精を出そうと考えています。しかし、「二月逃げて」とか「二八づき」とか、あまり芳しくない月のように言われていますので、V字回復とまではいかないにしても勢いくらいはつけようと、ほんの僅かですが設備投資をすることにしました。
弊社は予防処置として、「高温原料における有効なパージ方策の研究」を掲げています。射出成形業にとって、量産品への異物混入は厄介なNG案件の代表格です。PEEKなどの成形品に二次加工を施して製品とする場合などでは、ほとんどお許しをいただけないというのが現状です。そんなわけで、あらゆるパージ剤を試してみたり、無理して量産順序を入れ替えてみたりしましたが、結局のところはスクリューをはずす分解洗浄に勝るものがありません。
ところがこの作業は、時間と労力のコストを飛躍的に高めてしまいます。70tくらいですとそれほどではありません。しかし弊社の看板である350tになると、大の男が3人ほどかかっても丸一日は費やします。それでも完全にクリーンアップできるかといえばサニアラズ。逆流防止弁のあたりはどうしても取り切れずに残ってしまいます。加えて納期の関係などから、かなり無理をしなければならず、本来の量産に影響を及ぼすことも儘ありました。
ここ数カ月、350tによるPEEK成形のご注文を毎月のように頂戴しています。また、弊社にとっては大型の量産案件も予定されていますので、もしかすると分解洗浄の時間が取れないことが想定されます。そこで思い切って、PEEK専用スクリューを注文することにしたのです。ただ、弊社に在庫で眠っていたものをベースとして活用しますので、丸々1本を新調するほどにはかかりませんが、それでも結構なお値段になります。この出費はかなりキツイですが、決断することにしました。
信頼性がないものづくりは、お客様に多大なご迷惑をおかけすることになってしまいます。トヨタにおけるリコール騒動も、もしかするとこのあたりに原因があるのかもしれません。悪しき轍を踏まないためにも、ここは一番、打って出ます。どうかご期待ください。
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