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粘 技奉 Up !

伴化成では、プラスチック精密射出成形での「ものづくり」には、頑固なまでのこだわりを持って取り組んでいます。
成形機が7台しかないのに、フッ素やスーパーエンプラの取り扱い原料が40数種類に上っています。

困難には粘り強く向き合い、弛まぬ技術の向上に精進し、お客様のご要望には奉仕の精神を持ってお応えすること

“ Never give up ! ” に倣い
このように決意しています。
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2010年2月1日(月)
打って出る!

時の過ぎゆくままに如月を迎えました。政府の補正予算も可決され、いよいよV字回復と勢いづきたいところですが、いま一つ暗雲が立ち込めているような雰囲気です。皆様にはいかがお過ごしでしょうか。

 先月の弊社においては、松があけたころから毎日のようにお客様が来社され、お見積りや新規量産のお話を頂戴しました。また、自身においてはネプコンへ研修がてら出かけたりと、結構忙しくしていましたので、今月はじっくりと量産に精を出そうと考えています。しかし、「二月逃げて」とか「二八づき」とか、あまり芳しくない月のように言われていますので、V字回復とまではいかないにしても勢いくらいはつけようと、ほんの僅かですが設備投資をすることにしました。

 弊社は予防処置として、「高温原料における有効なパージ方策の研究」を掲げています。射出成形業にとって、量産品への異物混入は厄介なNG案件の代表格です。PEEKなどの成形品に二次加工を施して製品とする場合などでは、ほとんどお許しをいただけないというのが現状です。そんなわけで、あらゆるパージ剤を試してみたり、無理して量産順序を入れ替えてみたりしましたが、結局のところはスクリューをはずす分解洗浄に勝るものがありません。

 ところがこの作業は、時間と労力のコストを飛躍的に高めてしまいます。70tくらいですとそれほどではありません。しかし弊社の看板である350tになると、大の男が3人ほどかかっても丸一日は費やします。それでも完全にクリーンアップできるかといえばサニアラズ。逆流防止弁のあたりはどうしても取り切れずに残ってしまいます。加えて納期の関係などから、かなり無理をしなければならず、本来の量産に影響を及ぼすことも儘ありました。

 ここ数カ月、350tによるPEEK成形のご注文を毎月のように頂戴しています。また、弊社にとっては大型の量産案件も予定されていますので、もしかすると分解洗浄の時間が取れないことが想定されます。そこで思い切って、PEEK専用スクリューを注文することにしたのです。ただ、弊社に在庫で眠っていたものをベースとして活用しますので、丸々1本を新調するほどにはかかりませんが、それでも結構なお値段になります。この出費はかなりキツイですが、決断することにしました。

 信頼性がないものづくりは、お客様に多大なご迷惑をおかけすることになってしまいます。トヨタにおけるリコール騒動も、もしかするとこのあたりに原因があるのかもしれません。悪しき轍を踏まないためにも、ここは一番、打って出ます。どうかご期待ください。

2010年2月1日(月)
シリーズ 苦労しまんな〜!
 第9回 銀条

今月は銀条について述べてみたいと思います。

フラッシュやシルバーなどと呼ばれることもあります。一般的な発生原因は、樹脂に含まれる揮発分が膨らんで、成形品の表面に現われることでおこります。

修正方法は次の順番で行ってみてください。

@   原料の乾燥が充分に行われていたかを調べる。

A   樹脂温度が高すぎないかを調べる。

B   サックバックを0にしてみる。

C   背圧を上げてみる。

リピート製品であるのにもかかわらず、@〜Cの修正を行っても銀条が現れる場合は、スクリューの逆流防止弁が摩耗している可能性が考えられます。この場合には、射出成形機のメンテナスで対応してください。

はじめて使用する原料の場合、稀にではありますが成形機との相性が非常に悪くて銀条が現れることがあります。これには、樹脂の可塑がスムーズかどうかをチェックしてみてください。

ご参照いただけましたか。日々精進。「 粘・技奉・Up NEVER GIVE UP !」です。

来月は、ガス焼けについて述べてみたいと思います。

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