今月からソリを取り上げてみます。ボイドやヒケとともに、製品設計段階でお気遣いいただけると発生の可能性が格段に下がります。しかし、製品の都合上、どうしても避けられない原因によるソリも結構あります。だから、ソリの修正は「技術者の腕次第」と言えないこともありません。
ソリの発生原因も様々です。形状によるもの、金型温度によるもの、ゲートの位置や種類によるもの、材料によるもの、などが代表的です。そこで今月は、板形状によるソリについて述べてみたいと思います。
まずは原因として、板の厚みの中心を境にどちらか一方の樹脂量が多い場合に、樹脂量の多い方が少ない方より収縮することによって発生します。
ソリを直す方法ですが、表裏が同じ樹脂量になるように金型を修正することが理想的です。しかし、時間と費用のコストに目が行くと、ほとんど否決されますね。そこで、技術者の腕の見せ所である成形条件で直すことになります。
一般的には、できるだけ射出スピードを遅くすることで樹脂の密度を増やし、表面のスキン層を厚くすることによってソリの軽減を図ります。また、これは一概には言えませんが、金型温度を上下させることで直る場合もあります。しかし、どうしても成形条件で直らない場合は、成形機から出てきた製品が冷えてしまう前に矯正する方法もあります。ただ、矯正するタイミングを一定に保てず製品にバラツキが出ることがありますし、製品の使用環境が高温であった場合には元に戻ってしまうこともあります。それでも、チャレンジしてみる価値は十分にあると思います。
ご参照いただけましたか。日々精進。「 粘・技奉・Up NEVER GIVE UP !」です。
来月は、箱形状のソリについて述べてみたいと思います。
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