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粘 技奉 Up !

伴化成では、プラスチック精密射出成形での「ものづくり」には、頑固なまでのこだわりを持って取り組んでいます。
成形機が7台しかないのに、フッ素やスーパーエンプラの取り扱い原料が40数種類に上っています。

困難には粘り強く向き合い、弛まぬ技術の向上に精進し、お客様のご要望には奉仕の精神を持ってお応えすること

“ Never give up ! ” に倣い
このように決意しています。
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2009年10月1日(木)
なるようになる?

3四半期の始まりとなる神無月を迎えました。すべての神様が出雲の国に参集されるそうで、「神も仏もない時間を過ごさなくてはならない」と不安に苛まれてはいませんでしょうか。「もう既に見放されてるわ!」と怒り心頭の諸兄もおられることと拝察します。弊社も相憐れむというところですが、皆様にはいかがでしょうか。

さて前回は、「かなり難しい」に引き続き、「あちらを立てればこちらが立たず」という案件をご紹介しました。どちらもお見積もりを提出した段階で止まっていて進展がありません。調査と自信に裏づいたご提案をしましたが、顧客の事情としては、即断即決という訳にいかないのは無理からぬことです。しばらくの間は「じっと辛抱」に徹しようと思っていました。

ところが、予期せぬ別なところから案件が飛び込んできました。内容は、完成品を射出成形によって製造することで、従来の樹脂部品の加工個所を減らしてコストダウンを図ろうとされているのではないかと推察しています。加えて、周辺のアセンブリ部品も樹脂化できるのではと思っています。それで、詳細をお聞きした上でご提案をさせていただこうと考えています。

いずれにしても、新規案件のすべてが進行中です。成約までには至っておらず、まだまだ「じっと辛抱」に徹しなければならないのが現実です。FRBでも日銀でも景気の底を打ったと判断しているようですが、「思うに任せるようにことが運ぶのかな?」と不審を抱かずには居られません。今の世の中、そんなに甘くはないように思うのですが。

しかし弊社においては、その片鱗が現われてきている様にも感じられます。大体3カ月遅れの量産が始まることになりましたし、ポロポロとリピートの注文もいただいています。単に納期に間に合わないだけなのですが、看板である350トン成形機も23日くらいはフルに稼働させなければならない模様です。本当に、久しぶりに嬉しい悲鳴をあげられそうです。

さて、首相をはじめとする新しい閣僚が、今までのあり方をチェンジした行動に邁進しているかに見えます。滑り出しは好調のようですが、これからが本格的な正念場を迎えることになりそうです。地に足がついた舵取りを心がけ、日本全体の景気を回復させる施策を打ち出すことを願って止みません。兎にも角にも“ Nobody knows ! ”だけは願い下げにしてほしいものです。

2009年10月1日(木)
シリーズ 苦労しまんな〜!

5回 ソリ

今月からソリを取り上げてみます。ボイドやヒケとともに、製品設計段階でお気遣いいただけると発生の可能性が格段に下がります。しかし、製品の都合上、どうしても避けられない原因によるソリも結構あります。だから、ソリの修正は「技術者の腕次第」と言えないこともありません。

ソリの発生原因も様々です。形状によるもの、金型温度によるもの、ゲートの位置や種類によるもの、材料によるもの、などが代表的です。そこで今月は、板形状によるソリについて述べてみたいと思います。

まずは原因として、板の厚みの中心を境にどちらか一方の樹脂量が多い場合に、樹脂量の多い方が少ない方より収縮することによって発生します。

ソリを直す方法ですが、表裏が同じ樹脂量になるように金型を修正することが理想的です。しかし、時間と費用のコストに目が行くと、ほとんど否決されますね。そこで、技術者の腕の見せ所である成形条件で直すことになります。

一般的には、できるだけ射出スピードを遅くすることで樹脂の密度を増やし、表面のスキン層を厚くすることによってソリの軽減を図ります。また、これは一概には言えませんが、金型温度を上下させることで直る場合もあります。しかし、どうしても成形条件で直らない場合は、成形機から出てきた製品が冷えてしまう前に矯正する方法もあります。ただ、矯正するタイミングを一定に保てず製品にバラツキが出ることがありますし、製品の使用環境が高温であった場合には元に戻ってしまうこともあります。それでも、チャレンジしてみる価値は十分にあると思います。

ご参照いただけましたか。日々精進。「 粘・技奉・Up NEVER GIVE UP !」です。

来月は、箱形状のソリについて述べてみたいと思います。

 

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