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粘 技奉 Up !

伴化成では、プラスチック精密射出成形での「ものづくり」には、頑固なまでのこだわりを持って取り組んでいます。
成形機が7台しかないのに、フッ素やスーパーエンプラの取り扱い原料が40数種類に上っています。

困難には粘り強く向き合い、弛まぬ技術の向上に精進し、お客様のご要望には奉仕の精神を持ってお応えすること

“ Never give up ! ” に倣い
このように決意しています。
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2011年3月3日(木)
明日に向かって!

弥生を迎えました。三寒四温で春らしくなっていく今日この頃です。白酒に頬を染める娘を眺めながら、ビール片手に成長を喜ぶというのは遠い昔のような気がします。女房と徒党を組まれて手ひどい攻撃に晒されていると、「カダフィー大佐もこんな気分か?」とも考えさせられます。しかし、何事につけても迫害を受け続けていた身にとっては、「むしろ私が民衆の立場ではないのか?」とスネたところで、相対する連合軍の強大さには手も足も出ないことに苛まれています。実情はこんなものですが、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。

ところで、先月末に、久し振りとなるフッ素の試験打ちを行いました。この類の金型はメッキ処理がされていませんので、やり直しが効かない一発勝負が強いられます。また、既に何度か試行された結果からゲートが異常に細く、そのための特殊なPFA原料を使用するということです。加えて当日は、ご依頼先から3名もの方がご来社され、そのうちのお一人方は私の先輩に当たる1級プラスチック射出成形技能士をお持ちということです。このような三方塞がりの状況から、極度の緊張を強いられる試験打ちとなりました。

お陰様で「首尾は上々」とのご評価をいただくことができましたので、おおむね一安心をしています。加えて、お三方様からは数々のご示唆をいただき、思いもよらない収穫を得ることもできました。しかしながら最も喜んだのは、出番が少なくなっていたフッ素専用50トン成形機であったと思います。特段にハミゴとしているわけではありません。しかしながら、弊社におけるフッ素案件は元々が量産数量やリピートが少ないですし、リーマン以降はその傾向が殊のほか顕著になっていました。そんなことから、「待っていましたよ〜!」とばかりに、その能力を如何ともなく発揮することができました。金型を外した時、次の出番を催促されているように感じられたのも、そのせいではないかと考えています。

いよいよ今年度も最終月を迎えました。前年度に比べればV字回復とまでは言わないまでも、かなりのところまでには至ることができそうです。その上、開発トレイをはじめとして、数々の投資を果たすこともできました。そういう意味では充実した1年でありました。お陰様で、これらのことはすべて皆様のご支援の賜であると、改めまして感謝を申し上げなければなりません。本当にありがとうございました。これらを基盤として、来年度はさらなる前進を心がけたいと存じます。ご指導とご鞭撻、そしてご愛顧のほどを、何卒よろしくお願い申し上げます。

2011年3月3日(木)
シリーズ 苦労しまんな〜!
 第21回 原料(PPS)

今月は、PPSについて取り上げます。

PPSの正式名称は「ポリフェニレン・サルファイド」です。スーパーエンプラ樹脂として、使用頻度が高い部類の結晶性樹脂です。長所としては強酸以外の耐薬品性に優れ、耐熱性も非常に高温です。欠点は着色が難しく、ガラスやカーボンの充填材が入ると極端に硬化して脆くなることです。

成形条件は、ガラス入りの場合が金型温度130℃〜160℃、樹脂温度280℃〜320℃ぐらいを一般的な設定にします。

成形時は多くのガスが発生することから、射出スピードを速めに設定し、射出圧力も高めに設定することが多くなるので、バリが出やすくなります。そのために、基本的にはガス抜きの良い金型を作ることが肝要です。

ご参照いただけましたか。日々精進。「 粘・技奉・Up NEVER GIVE UP !」です。

来月は、PEEKについて述べてみたいと思います。

 

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