技 術 集 団 伴 化 成 本文へジャンプ
粘 技奉 Up !

伴化成では、プラスチック精密射出成形での「ものづくり」には、頑固なまでのこだわりを持って取り組んでいます。
成形機が7台しかないのに、フッ素やスーパーエンプラの取り扱い原料が40数種類に上っています。

困難には粘り強く向き合い、弛まぬ技術の向上に精進し、お客様のご要望には奉仕の精神を持ってお応えすること

“ Never give up ! ” に倣い
このように決意しています。
<<前のページ | 次のページ>>
2010年9月1日(水)
遺志と意志

平成2288日午前020分。わが父であり、弊社(株)伴化成工業所創業者である伴 吉英が他界いたしました。

 はじめに、通夜ならびに葬儀に際しましては、公私共ご多忙中にも拘わりませずご会葬下されました上に、心よりのご弔慰を賜りましたことを、衷心より厚く御礼申し上げます。加えて、故人が生前中に賜りました格別のご懇情に対しましても、併せて深謝申し上げます。

父は、昨年の115日に脳出血で倒れ、それからは長い闘病生活を続けて参りました。リハビリに対しても、生への執念を感じさせる意気込みを見せておりました。しかしながら、若いころから患っていました肝炎が悪化し、最後は肝不全が原因で鬼籍に入りました。

父は多彩な人物でありました。一方、非常に真っ直ぐで一途な上に頑固でもありました。この性格は「何をおいてもまずは仕事」ということに如実に現れ、成形品のでき具合やお客様への対応を常に気にかけていたものでした。

病状が悪化する以前など、病院へ見舞いに行くと、「こんな所へ来れるほど暇を持て余しているのか。そんな余裕があるのなら、お客様へご提供する製品やサービスの向上に努力をするべきではないのか」と散々に説教をされ、その挙句に無理矢理帰らされるという始末でありました。こんなことから、受注による忙しさが増せば増すほど足が向き難くなっていきました。その頃から母に対しては、「今日も来んかったな」という言葉に続けて、お客様への感謝を繰り返し伝えていたようでした。

こんな父への最後の贐として、通夜も葬儀も操業することにいたしました。社員もすすんで成形機の唸り声を響かせてくれましたので、お陰様で満足げに笑いながら旅立ってくれたのではないかと、一同で悦に入っています。

順調であった景気に陰りが見え始めているようです。家電ポイントやエコカー補助の打ち切りなど、政府の景気対策が終盤を迎えたからでしょうし、米国やEUにおける通貨安政策も大きく影響していることでしょう。弊社は工程作業品や特殊アセンブリ品などの委託生産が主ですので、景気の失速は甚大な収益悪化へと直結します。しかし、「為るがまま」を受け入れるのではなく、お客様における局所最適の方策でご愛顧を頂戴したいと考えています。それこそが、

「何をおいてもまずは仕事」であった父の遺志を引き継ぐことになるでしょうし、弊社の継続発展につながるのではないかと理解しています。

 従前以上に、さらなる 粘・技奉・Up NEVER GIVE UP !」でお応え申し上げる所存です。何卒よろしくお願い申し上げます。

2010年9月1日(水)
シリーズ 苦労しまんな〜!

第15回 バリ

今月は、バリについて述べてみたいと思います。

一般的には、過度な量産数による金型の痛みから発生することが多いです。一方、スライドなどの機構が必要な製品の形状においてもリスクは高くなります。しかし、無理にスピードを上げたり圧力をかけたりすることで、バリが癖になってしまって、金型が二度と元には戻らなくなることもあります。

例えば、製品の一部に肉が薄い部分や流れにくい部分がある場合、無理矢理そこへ樹脂を流そうと射出スピードを上げたりすると、違う場所でバリが発生しやすくなります。また、外観にこだわって射出スピードを上げたりしても発生しやすくなります。その上、ボイドを回避するために過剰に射出圧力を上げたりしてもなりやすいです。このように、別の種類の成形不良を緩和するためにバリが発生しているといっても過言ではありません。そのために、成形条件でバリを直す場合は、他の成形不良の基準を見直すか、製品形状を再検討するか、ガスベントを付けるなどの金型修正をするしかありません。

多少なりともバリを抑制できる方法を下記に示します。バラツキがあるかもしれませんが、その点の忖度はお願いします。

1.  射出スピードを下げる。

2.  射出圧力を下げる。

3.  樹脂温度を下げる。

4.  金型温度を下げる。

5.  射出保持圧の切り替えを早める。

6.  樹脂の流れをコントロールしやすいように樹脂の流れを下から上に流す。

金型温度は高い方が、他の条件と組み合わせてバリを抑えることができる場合があります。うまく組み合わせて条件を修正してみてください。

ご参照いただけましたか。日々精進。「 粘・技奉・Up NEVER GIVE UP !」です。

来月は、ショートショットについて述べてみたいと思います。

 

このコラムについてのご意見やご要望、加えて弊社へのご依頼事項や製品見積り案件などがございましたら、「お問い合わせ」をクリックしてメールをご送付ください。直ちに対応させていただきます。


 

Copyright(c)2007.Bankasei