盛夏です。引き続き、とにかく寝苦しい熱帯夜に悩まされる葉月となりましたが、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。
弊社においては、ひと癖もふた癖もあるご依頼が多いのではありますが、看板の350t成形機の唸り声が聞こえない日はありません。しかし、数ある小型の方は芳しくなく、「社長、もうちょっとバランスを考えて受注してくださいよ〜!」と責められています。社員の批判に対しては素直に「スンマセン」と応えています。しかし、昨年の今頃に比べると雲泥の差であることも了解済みで、大切なご注文に対しては、精一杯の努力を惜しまずに提供してくれています。こんなイビツな量産進行の中で起こりました件の一説・・・。
7月16日金曜日お昼頃、「伴さん、AとDが今日着きました。ありがとう。ところで、原料はまだタップリ残っていると思うので、A、B、C、EとFの各30枚を来週の水曜日までに納品して。頼んだでェ〜!」というご注文をいただきました。PEEKを原料とするこの製品は、1面の金型で6種類の入れ子を交換しながら成形します。ボイドやソリはもちろんコンタミもNGなので、分解洗浄後に専用のスクリューで対応します。そして量産後は他の成形に影響が出ないように、わざわざシリンダーのクリーニングを兼ねた量産をすることにしています。ことほど左様に、とにかく手間と神経を使うご注文です。そのために、通常のリードタイムは1カ月を頂戴することでご同意をいただいていました。
量産が終了したばかりなので、PEEKだらけの専用スクリューはそのままになっていますし、割り込ませると他のお客様の納期が守れなくなります。如何せんそれ以上に、明日からの3連休を潰さなくてはならなくなります。「注文を貰っているのに何が休みじゃ!」とお叱りをいただきそうですが、この4月から土日はもちろんのこと、ゴールデンウィークも精勤していた社員一同にとっては、やり繰りをしてようやく捻り出した連休への思い入れは、筆舌に尽くし難い待ち遠しさがあるのでした。それでも紆余曲折はあったものの、結局はお引き受けすることになり、スクリューの汚れ落としを済ませて金型を乗せ換え、そしてスクリューを交換し、明日からに臨むこととしました。
連休初日。まずはA。1時間あまりの量産が終了すると金型を外して定盤の上に移動し、クリスプの強風を当てて冷やします。待つこと4時間。入れ子をBにして金型をセット、温調に3時間と量産に1時間半。そして、Cがセットできた頃にはJRの終電が迫っていました。連休中日はCから始まり、Fのセット終了は昨日とほぼ同時刻。結果的に、7月16日金曜日お昼頃の状態に戻ったのは、何と『海の日』のおやつをいただく頃でした。永ちゃんではありませんが、「時間よ〜とまれ〜!」の3日間でした。
ちなみに、7月に350tで成形した製品は22種類。そのうち、入れ子金型は3面で11種類。この半分くらいでも小型のご注文がいただければ、もう少し楽になると思うのですが。
暑さのせいでしょうか、このところ「あ〜、夏休み!」と、幻聴に悩まされています。
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