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粘 技奉 Up !

伴化成では、プラスチック精密射出成形での「ものづくり」には、頑固なまでのこだわりを持って取り組んでいます。
成形機が7台しかないのに、フッ素やスーパーエンプラの取り扱い原料が40数種類に上っています。

困難には粘り強く向き合い、弛まぬ技術の向上に精進し、お客様のご要望には奉仕の精神を持ってお応えすること

“ Never give up ! ” に倣い
このように決意しています。
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2010年8月2日(月)
幻?

盛夏です。引き続き、とにかく寝苦しい熱帯夜に悩まされる葉月となりましたが、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。

弊社においては、ひと癖もふた癖もあるご依頼が多いのではありますが、看板の350t成形機の唸り声が聞こえない日はありません。しかし、数ある小型の方は芳しくなく、「社長、もうちょっとバランスを考えて受注してくださいよ〜!」と責められています。社員の批判に対しては素直に「スンマセン」と応えています。しかし、昨年の今頃に比べると雲泥の差であることも了解済みで、大切なご注文に対しては、精一杯の努力を惜しまずに提供してくれています。こんなイビツな量産進行の中で起こりました件の一説・・・。

716日金曜日お昼頃、「伴さん、AとDが今日着きました。ありがとう。ところで、原料はまだタップリ残っていると思うので、A、B、C、EとFの各30枚を来週の水曜日までに納品して。頼んだでェ〜!」というご注文をいただきました。PEEKを原料とするこの製品は、1面の金型で6種類の入れ子を交換しながら成形します。ボイドやソリはもちろんコンタミもNGなので、分解洗浄後に専用のスクリューで対応します。そして量産後は他の成形に影響が出ないように、わざわざシリンダーのクリーニングを兼ねた量産をすることにしています。ことほど左様に、とにかく手間と神経を使うご注文です。そのために、通常のリードタイムは1カ月を頂戴することでご同意をいただいていました。

量産が終了したばかりなので、PEEKだらけの専用スクリューはそのままになっていますし、割り込ませると他のお客様の納期が守れなくなります。如何せんそれ以上に、明日からの3連休を潰さなくてはならなくなります。「注文を貰っているのに何が休みじゃ!」とお叱りをいただきそうですが、この4月から土日はもちろんのこと、ゴールデンウィークも精勤していた社員一同にとっては、やり繰りをしてようやく捻り出した連休への思い入れは、筆舌に尽くし難い待ち遠しさがあるのでした。それでも紆余曲折はあったものの、結局はお引き受けすることになり、スクリューの汚れ落としを済ませて金型を乗せ換え、そしてスクリューを交換し、明日からに臨むこととしました。

連休初日。まずはA。1時間あまりの量産が終了すると金型を外して定盤の上に移動し、クリスプの強風を当てて冷やします。待つこと4時間。入れ子をBにして金型をセット、温調に3時間と量産に1時間半。そして、Cがセットできた頃にはJRの終電が迫っていました。連休中日はCから始まり、Fのセット終了は昨日とほぼ同時刻。結果的に、716日金曜日お昼頃の状態に戻ったのは、何と『海の日』のおやつをいただく頃でした。永ちゃんではありませんが、「時間よ〜とまれ〜!」の3日間でした。

ちなみに、7月に350tで成形した製品は22種類。そのうち、入れ子金型は3面で11種類。この半分くらいでも小型のご注文がいただければ、もう少し楽になると思うのですが。

暑さのせいでしょうか、このところ「あ〜、夏休み!」と、幻聴に悩まされています。

2010年8月2日(月)
シリーズ 苦労しまんな〜!

第14回 ジェッティング

今月は、ジェッティングについて述べてみたいと思います。

ジェッティングとは、ゲートに入った樹脂が抵抗のない金型内で真っすぐに進み、後から来た樹脂との融合が悪い場合に発生します。製品には、蛇行したような跡が見られます。

一般的にはサイドゲートで起こります。それで、ゲートの位置を変えたり、敢えてゲート付近に障害を設けるなど、金型に修正を加える方が良い結果が得られます。

成形条件での修正方法としては、以下のようなものが一般的です。

l  型温を上げる。

l  樹脂温度を上げる。

l  製品部とランナー部の付近で射出スピードを落として成形する。

l  ゲートを下側にして成形する。

 ただし、製品にバラツキがかなり出るかもしれませんので、無理のない成形条件にしてください。

ご参照いただけましたか。日々精進。「 粘・技奉・Up NEVER GIVE UP !」です。

来月は、バリについて述べてみたいと思います。

 

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