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粘 技奉 Up !

伴化成では、プラスチック精密射出成形での「ものづくり」には、頑固なまでのこだわりを持って取り組んでいます。
成形機が7台しかないのに、フッ素やスーパーエンプラの取り扱い原料が40数種類に上っています。

困難には粘り強く向き合い、弛まぬ技術の向上に精進し、お客様のご要望には奉仕の精神を持ってお応えすること

“ Never give up ! ” に倣い
このように決意しています。
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2010年3月1日(月)
果報は、もがき苦しんで待つ?

ひな祭りを迎える弥生三月となりました。「灯りを点けましょ〜」と、音痴ながら娘と楽しんだのは遠い昔。この頃では女房よりも厳しい仕打ちを繰り出してくるようになり、ますます家の中に居場所がなくなっているように感じます。決算期にあたり、せめて寛げる場所であって欲しいのですが、成形機の轟音に包まれている方が落ち着きます。同様の憂き目にあっていらっしゃる方はご連絡ください。相憐れむことにいたしましょう。

さて10月のコラムで、少しだけ忙しさが戻っているようにご報告しました。その後は「ボチボチでんな〜」の状況です。ただ、新規の見積もり案件に関しては結構なご依頼をいただいています。本来であれば嬉しい悲鳴のはずなのですが、成約にまで至ったものがひとつもありません。モラトリアム状態の長いものは1年にわたっています。お問い合わせをすると「塩漬け!」とのご返答で、ご担当の方も困っておられるようです。

弊社としてもリピート量産に精を出しながらも、それぞれの案件から頭が離れません。お見積もり時に申し上げた工夫に加え、さらに良質でコスト低減が図れる方策がないものかと、研究に余念を差し挟むことなく努力を続けています。「あちらを立てればこちらが立たず」は射出成形の宿命ではあります。ただ、それに甘んじることなく課題解決に邁進しなければ、弊社の存在意義はありません。それにアイデアが浮かんだ時の快感は何とも言えませんものね。

ところが、お客様のためにそのアイデアが活かせないのです。ご担当の方も大いに興味を抱かれて賛同をもしてくださるのですが、上司のご決裁がいただけないようなのです。さまざまなご事情から、それぞれの案件に対する優先順位がコロコロ入れ替わってしまうのでしょう。弊社にとっては、如何ともしがたい状況が続くことになります。ゲートインして、走りたくて仕方がない競走馬の気持ちがよくわかります。

こんな状態が不満なのではありません。むしろ、案件を持ち込んでいただけるだけでもありがたく、感謝しています。実際、すぐさま応用できるアイデアの数々を蓄積することができてきました。異物混入などを排除する成形自体のことはもちろんとして、お客さまが望まれる以上の付加価値を上昇させるお手伝いが、昨年にも増してできるようになってきていると思います。少々自惚れ過ぎかもしれませんが、そんな自信もできてきました。

弊社はちっとも偉くありませんが、「綸言汗のごとし」はわきまえているつもりです。塩漬け案件の進展と、新しいお客様との出会いを、心待ちにしています。いつでもご連絡をお願いします。

2010年3月1日(月)
シリーズ 苦労しまんな〜!

第10回 ガス焼け

今月は、ガス焼けについて述べてみたいと思います

ガス焼けは、穴のウェルト部分や角に発生することが多い現象です。

原因としては、金型に入った樹脂から発生するガスが逃げ場を無くすことで起こります。特に、外観を良くするための手段としてや、ピンゲートやトンネルゲートなど小さなゲートで、それぞれの場合に合わせて射出速度を無理やり速くすると発生しやすくなります。基本的には、ガス焼けが発生している部分のガス抜きを良くするように、金型の改造を施すことで修正が図れます。

以前には問題なく量産ができていたにもかかわらず、降って湧いたようにガス焼けが発生することがあります。その場合は、金型にガスが付着して汚れていることが考えられます。汚れが確認できたら掃除をしてみてください。治まるはずです。

成形条件で修正しなければならない場合は、出来る限り射出速度を遅くするようにします。ただ、外観の光沢がなくなったり、ウェルトがハッキリと目視できるようになったり、成形品がショートになったりと、それぞれの問題が発生する可能性がりますので、注意を払うことが肝要です。

また、成形機のトン数を落とすことによって発生がなくなる場合があります。それは、射出圧力による金型のパート面からのガス抜きが改善され、実際に流れていく樹脂の速度を遅くすることができるからです。機会がありましたら試してみてください。

ご参照いただけましたか。日々精進。「 粘・技奉・Up NEVER GIVE UP !」です。

来月は、白化について述べてみたいと思います。

 

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