ひな祭りを迎える弥生三月となりました。「灯りを点けましょ〜」と、音痴ながら娘と楽しんだのは遠い昔。この頃では女房よりも厳しい仕打ちを繰り出してくるようになり、ますます家の中に居場所がなくなっているように感じます。決算期にあたり、せめて寛げる場所であって欲しいのですが、成形機の轟音に包まれている方が落ち着きます。同様の憂き目にあっていらっしゃる方はご連絡ください。相憐れむことにいたしましょう。
さて10月のコラムで、少しだけ忙しさが戻っているようにご報告しました。その後は「ボチボチでんな〜」の状況です。ただ、新規の見積もり案件に関しては結構なご依頼をいただいています。本来であれば嬉しい悲鳴のはずなのですが、成約にまで至ったものがひとつもありません。モラトリアム状態の長いものは1年にわたっています。お問い合わせをすると「塩漬け!」とのご返答で、ご担当の方も困っておられるようです。
弊社としてもリピート量産に精を出しながらも、それぞれの案件から頭が離れません。お見積もり時に申し上げた工夫に加え、さらに良質でコスト低減が図れる方策がないものかと、研究に余念を差し挟むことなく努力を続けています。「あちらを立てればこちらが立たず」は射出成形の宿命ではあります。ただ、それに甘んじることなく課題解決に邁進しなければ、弊社の存在意義はありません。それにアイデアが浮かんだ時の快感は何とも言えませんものね。
ところが、お客様のためにそのアイデアが活かせないのです。ご担当の方も大いに興味を抱かれて賛同をもしてくださるのですが、上司のご決裁がいただけないようなのです。さまざまなご事情から、それぞれの案件に対する優先順位がコロコロ入れ替わってしまうのでしょう。弊社にとっては、如何ともしがたい状況が続くことになります。ゲートインして、走りたくて仕方がない競走馬の気持ちがよくわかります。
こんな状態が不満なのではありません。むしろ、案件を持ち込んでいただけるだけでもありがたく、感謝しています。実際、すぐさま応用できるアイデアの数々を蓄積することができてきました。異物混入などを排除する成形自体のことはもちろんとして、お客さまが望まれる以上の付加価値を上昇させるお手伝いが、昨年にも増してできるようになってきていると思います。少々自惚れ過ぎかもしれませんが、そんな自信もできてきました。
弊社はちっとも偉くありませんが、「綸言汗のごとし」はわきまえているつもりです。塩漬け案件の進展と、新しいお客様との出会いを、心待ちにしています。いつでもご連絡をお願いします。
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