SPEAKERS

<Warfedale Super 8>

1970年代に公表されたBBCのモニター・スピーカー開発の資料を参考にした新しい傾向のスピーカーが出てきて、かなり全体の雰囲気が変わってしまったイギリスのスピーカーですが、それ以前の民生用スピーカーでは、イギリスを代表するメーカーの一つだった、ワーフェデ−ルのかなり年代物のフル・レンジです。 最近では一般的にあまり知られていないようですが・・・。 以前はとってもイギリス・テイストを感じさせてくれるスピーカーが出ていました。


なんだかんだ言っても、やっぱりこれもVintageものの部類に入りそうです。 その当時聴いた経験のありそうなお店の人によれば、モノラル時代の名器と言っておられました。その方によれば、上の写真の黒い布袋(年代物で硬くなってボロボロ寸前の様子ですけどね)が大事だと言っていました。確かに、グッドマンのAXIOMもこんな布の袋に入っていたのを見たような気がします。 また、別の先輩からはこの当時、イギリスのメーカー、タンノイもワーフェデ−ルもグッドマンもユニットを作っていたのは同じ所(グッドマン)だから似た音がするそうです。 確かに去年の暮れに聴いた50年代のタンノイのレッド・モニターに高域の音の出方がそっくりです。 いくら、そのとき入っていた箱が小さいのと大分エッジ・ダンパーが硬くなっているので低音が出にくくなっていたとは言え、相手は15インチなので、もっと低音は出てはいましたが、高域はよく似た音の出方です。 タンノイも中域がちょっと薄くなる感じがありましたから、この頃のイギリス製スピーカーの特徴なのかもしれません。
なんと表現していいか分からないのですが、クラシックを聴いた時、特に弦楽器の音が柔らかさを伴いながら、近距離で聴いた時の弦楽器独特の刺激のある音がします。 完璧な音ではないけれど、ちょっと響かせて聴くとクラシック音楽に独特の味付けでとても好ましい音で鳴ってくれます。 それも、小編成でもオーケストラでも同様な感じを受けます。 ただ、やはり口径の小ささのため、大出力を受け止めるだけの能力はなく、一定以上の音量やスケールの大きさは望めないようです。 但し、トランジスター・アンプのM300でのテストしかしていませんので、「845」等の大型管で鳴らした場合や5極管のPP等で鳴らしたらどうなるか、ちょっと試してみたい気がします。 相性から言えば、「300B」等の柔らかめで響きのある真空管が合いそうな気がします。 先日以前使っていた300Bアンプを分解してしまったので、まだ試しておりません。
最近、4033Xのアンプでも鳴らしてテストをしたんですが、中域はかなり張りと艶のある音が出ました。 ここでも管楽器との相性がいいですね。 金管は当然ですが、木管でもかなり張りがあっていいですね。 弦楽器は傍熱管故か高域の抜けが少し悪い感じがあり、ヴァイオリン等ちょっと硬質的な艶となります。 この場合、大きな編成は合いませんでした。 これは、全く4033Xアンプの音が出ているようです。 でも、楽器によってはちゃんと柔らかく鳴ってくれます。 同じチョン・キョンファの演奏でもストラドを弾いた演奏では少し金属的なきつい響きを感じがしますが、ガリネリウスを使っての演奏では、ちゃんと柔らかさがでています。 これって、ちゃんと出ているのかも・・。 QUADのESLのように、少し部屋の中で響いた音を聴くと、きつさが反対に輝きになるかもしれません。 でも、今の部屋では、響かせる広さ(容量)がありません。 う〜ん、残念。  う〜ん、やっぱりオーディオは難しい。
<追加試聴 : 2003年12月>
M300の調子が悪くなってきたので、最近QUADの真空管アンプを入手しました。 目指した音はお互いかなり違うとは思いますけど、年代的にも一致しているので相性は悪くないと思っています。 まだ現在調整中ですが、50年代後半から60年代にかけてのDECCAでの録音盤などかなり楽しめるのではと期待しております。 昨年暮れから今年にかけ、1000円版のBEST100/50を最終的には50枚以上集めてしまいました。 いい音で鳴ってくれれば最高なんですが。 今のところ、大分音に艶が出てきましたが、どちらかと言うとしっかりした音で、ピアノや管楽器はとても輝きがありますし、そして管弦楽にも向いています。 三極管シングル・アンプでは、ひ弱さを時々感じたワーフェデ-ルの音味をすっかり変えてしまう感じです。 小編成の弦楽中心では、もうちょっとふわっとした雰囲気が出てくると最高かもしれませんが、チェロのソロは迫力があっていいです。 また、バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ等も少し硬質さはありますが、線の太い音で再現してくれます。 この線の太さ(音の厚み)というのは、安心感があってゆったりと聴ける雰囲気で快適です。 厚みがあるゆえにジャズを聴いても中高域はかなりいけます。 音楽によっては柔らかさのでるアンプと切り替えて聴けるようにするといいかもしれません。
現在は7月に入手したVT52PPアンプを中心に聴いています。 大分エージングも進んだ様でかなり柔らかさがでてきました。 ただかなり細身のかっちりした音が持ち味なので、今のところ大編成には向いていないようです。 今度、ライン・アンプを作ろうと考えているのでそこで、音味を変えてみたいと思っています。
仕様: 20cm フルレンジ・スピーカー
入力インピーダンス: 15オーム
出力音圧レベル: 93〜95dB位 


755Eを入れていた箱に収めて鳴らしたところ、こちらのほうがベスト・マッチで、バランスがいいのでしばらくこれで鳴らそうと思っています。 755Eで感じた低音での問題も特に出ていません。 箱鳴りも良い方向に相乗効果が出ている感じがします。




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