SPEAKERS

No.2 <Rogers-LS3/5A>

今回は私が現在リファレンスとして使っているスピーカーを紹介したいと思います。 以前は、ただのリファレンスというのではなく、通常の再生時もメインのスピーカーとして使うことが多かったのですが、最近はフルレンジが常用の中心になっています。 後日導入したQUADのアンプにより、クラシック全般が他のスピーカーでは出ない表現により、クラシックのメインになっています。 




BBC仕様の小型モニター・スピーカー。BBCのモニター・スピーカーには何種類かの大きさがありますが、これはその中でも一番小さいタイプです。モニター・スピーカーは、イギリス国内のメーカーに平等にチャンスを与えられているらしく、その時々でいろいろなメーカーから出ています。私が持っているのは、ちょっと古いので、ロジャース製ですが、その後、スペンドールやKEFがこのタイプのスピーカーを作っていました。 30年程前は、KEFが大型のモニター・スピーカーを供給していましたが、その後ロジャースがそのタイプの供給先に変わっていました。BBCは今から30年ほど前にスピーカーについてのいろいろな研究データを公表し、各メーカーがそれを基にスピーカーを製作し、その中から自分達の基準に適ったものを、BBCナンバーを与え発注しているようです。国のメーカー全体の質を上げるという意味において、とても大きな貢献をしているとともに、合理的であると言っていいでしょう。このタイプは、本来の使い方としては中継車でのモニター等で、人の声がしっかり通ることが主目的になっていて、あまり広帯域をカバーするとかの高品質再生装置の用件とは違うコンセプトで設計されている。 では、どうして人気があるのか?帯域等を無理に伸ばしてないことが却って、人の声が本物の声に非常に近く聞こえる。これは、電話等を考えるとよく分かりますが、高級スピーカーから出る音より、電話のほうが生の声に近く思えることがあります。多分、人間の声の帯域が非常に狭いので、それに近い帯域を持ったスピーカーのほうが、余分なまでに広い帯域を持つスピーカーよりも忠実に再現できるのかも。そんなわけで、このスピーカーでボーカルなどを聴くと、その柔らかい音味と相俟ってとても艶やかな音がするのです。ただ、BBCモニターは非常に理論的にデータ等の仕様を細かく指定しているので、もちろん通常の音楽についても十二分の音がするのです。高品質の再生装置といっても、無理に帯域のばす必要がないってことかな。人間の耳に聞こえるのは、非常に狭い帯域ですからね。それよりも狭い帯域内での音質をいかに上げるかのほうが重要なのでしょう。それは、真空管アンプにも通づることですけどね。  
仕様: 12cm ウーハーとソフト・ドームトゥィーターの2ウェイ・スピーカー
入力インピーダンス: 15オーム (実質的には11オーム位らしいです)
出力音圧レベル: 84dB位
大きさ: 304x190x162  5Kg





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