Head Phone

<MDR-F1>

ずっと新しいメインのスピーカーを探しているのですが、未だ現在使っているスピーカーを凌ぐ音が見つかっておりません。そんなスピーカー探しをしている中で見つけたのが、今回のヘッドフォンです。実はメイン・システムの一選択肢として、スタックスのイヤー・スピーカー(コンデンサー・ヘッドフォン)を検討したのですが、これが思いのほか音圧レベルが上がらず満足いく音がでてこなかったのですが、そんな時この製品を目にして、ちょっと感ずるものがあったのです。これもオープン・エアー・タイプ(開放型)なのですが、ある意味究極のオープン・エアーと言っていいかもしれません。通常のオープン・エアーは後面開放型でドームの外側から音が抜ける設計になっていて、音の篭りが少ないのですが、これは写真でも分かるように、周りもドームで塞がずに外枠から振動版が浮かせてあります。これであれば、音の篭りも全く起こらず抜けのいい音が期待できます。その分低音の音量を確保するのが難しいかもしれませんけどね。でも、これなら振動版が耳の近くにあるだけで、スピーカーで聞いてるのと非常に近い感じがします。後は音場感ですかね。ま、とにかく聴いてみましょう。


まずは装着感、個人的にはこれが一番気になります。マグネシウム合金を使ったフレームにジュラルミンのヘッドバンド、さすがに軽いですね。圧迫感も強くなく掛け心地はとてもいいですね。その上、耳が塞がれていないので、長時間使っていても蒸れることがないので、夏でも大丈夫そうですね。
さて、試聴感ですがさすがにフル・オープン・エアーと言える形状のためか、音の篭りはちっとも感じられません。特にヘッドフォンでよく感じる低音の違和感が全くありません。低音の量感は若干少なめに感じますが、低音の出過ぎなのは嫌いなので個人的にはこの程度で充分という気がします。今までの3種類と同じソニーなのですが、振動版の素材は違うようです。エージングなしでの状態ではちょっと硬めな高域よりの感じがするんですが、これは今までの経験でエージングが進めばどんどん音がこなれてくる気がします。また、インピーダンスが通常のものより低め(12オーム)なのでそのせいもあるかもしれません。と言ってもかなりのハイ・レベルの音があってそれが、いろいろな要素を突き詰めていけばよりよくなる可能性があるということです。
今回ヘッドフォンは個人的にはかなり気に入りました。常用システムの一部として長く使っていきたいと思います。で、敬意を表して専用のヘッドフォン・アンプを作ることにしました。真空管+トランスで低インピーダンスにも対応できると思いますし。なんとなく、音の出方が今の常用スピーカーのNS1000MMに似たところがあるので、意外と真空管に合うかもしれません。今後の進展が楽しみです。 
アンプのコーナーで紹介しましたが、ちょっと別の目的もあり、トランジスター製のヘッドフォン・アンプを買ってしまいました。 8Ωまでのヘッドフォンが使えますが、この低インピーダンスが絶大な効果をもたらしてくれます。 音の密度が濃くて、音場感の大きさが全く違ってきます。 これで、真空管の味が入ったらより中域の厚みとより滑らかな艶が出てきそうな気がします。 是非一度試してみたいと思います。     by Masa   Jan, 2002 & Nov. 2003


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