<Jazz CDs - Lee Morgan>

「I remember Cliford」の演奏で有名なリー・モーガンです。 この曲は彼のためにベニ―・ゴルソンが書いた曲ですが、この天才ブラウニーにも負けない演奏を聴かせてくれます。


'Lee MorganVol.2' March, 1956録音
'Lee MorganVol.3' March, 1957録音 演奏者:Lee Morgan(tp), Gigi Gryce(as), Benny Golson(ts), Wynton Kelly(p), Paul Chanbers(b), Charlie Persip(d)
曲目: 'Hasaan's Dream', 'Domingo', 'I remember Clifford', 'Mesabi Chant', 'Tip Toeing'
Comments: 弱冠18歳のリーがこの美しいメロディーを持つバラードのタイトル曲を見事に哀愁豊かに吹ききっているのがなんと言っても素晴らしい。この1曲だけでも、聴く価値のある一枚と言っていいでしょう。その才能を遺憾なく発揮しています。まさしく、この名演奏があったから、この曲がここまで有名になったといっても過言ではないでしょう。もちろん全曲をとおして、クリフォードに通ずる素晴らしい演奏が聴けます。こちらのほうはよりバップ感の強い演奏と言っていいでしょうけど、そこにはマイルスのトランペットとは全く違うものでありながら、演奏に惹かれていくことには共通点がある。これもまた、ハードバップのトランペットを代表する一枚と言っていいでしょう。
The Cooker
'DizzyGillespie atNewport' 
1957年録音
演奏者:Dizzy Gillespie(tp), Lee Morgan(tp), Benny Golson(ts), Wynton Kelly(p), etc. Gillespie Band
曲目:'Dizzy's Blues', 'Dooduny', 'Manteca', 'I Remember Clifford', 'Cool Breeze', 'Zodiac Suite', 'Carioca', 'A Night In Tunisia'
Comments:よくスィングするビッグ・バンドの安定したサポートの上で実力あるソリストの素晴らしいインプロヴィゼーションが展開される。聴いてるものがどんどんノセられて体が自然に動いてくるような楽しい演奏です。熟練されて脂がのりきったガレスピーのトランペットと若き天才リー・モーガンのトランペットの対比も聴きものです。めったに聴かないビッグ・バンドの演奏ですが、久しぶりに堪能させてもらいました。こんな演奏ライブで聴きたいですね。
'Art Blakey &Les Jazz-Messengersau Club Saint-Germain'
1958年12月録音
演奏者:Art Blakey(d), Benny Golson(ts), Bobby Timmons(p), Lee Morgan(tp), Jymie Merritt(b), Kenny Clarke(d)
曲目:Disk 1: 'Politely', 'Whisper Not', 'Now's the time', 'First Theme'
Disk 2: 'Moanin'', 'Evidence', 'Blues March', 'Like Someone In Love'
Disk 3: 'Along Came Manon', 'Out Of The Past', 'A Night In Tunisia', 'Ending With The Theme'
Comments:この時期アメリカでのモダン・ジャズが成熟し、それがヨーロッパへも波及していった時期でモダン・ジャズ人気が高まってきたようで、ライブでの熱狂ぶりが伝わる録音です。ティモンズ作曲の名曲「モーニン」でのティモンズのソロ演奏途中でフランス人演奏家が演奏に熱狂、感極まり、叫ぶ声が記録されていたりしていろいろと逸話も多い録音です。ジャズを聴き始めた70年代ではジャズ・メッセンジャーズの名前は有名でしたが、既に最盛期を過ぎた感があり、あまりいい出来の演奏を聴いた記憶はないのですが、さすがにこの盤では最盛期の演奏が記録されており、この時期以降のグループの代表曲となる曲が全て含まれているのを見てもグループの演奏のなかでも最高の部類に入る名演奏だと思います。また、ファンキーというスタイルをとってみても、その凄みが伝わる演奏だと思います。アート・ブレーキ-の場合、そのホットさが過剰な面があり、ティモンズやブレーキ-の演奏では「オーバー・ファンク」とも言われるような面が出ているのも確かですが、それがより観客を熱狂させているのも事実でしょう。これを聴く時には論理的なことは横に置いておいて、強いドライブ感に身を委ねて演奏に浸るのが正しい聴き方なのかもしれませんね。そんなホットなドライブを体験してみてください。
モーニン メッセンジャーズ黄金期の演奏。
チュニジアの夜 メッセンジャーズ黄金期の演奏。