<Jazz CDs - Stan Getz>

USではとても人気があったスタン・ゲッツ。 50年代前半はクールの花形プレーヤーと呼ばれたり、ボサノバでも一番目立っていました。 でも、そのクール時代のリリカルな演奏は、完成度の高い60年代のマイルスとも比較できる素晴らしい演奏が聴けます。 後期のボサノバとかバラードで有名ですが、クールの演奏は一聴に値します。


Stan Getz
Qualtets
演奏者:Stan Getz(ts), Al Haig(p), Tonny Aless(p), Tommy Porter(b), Percy Heath(b), Gene Ramey(b), Roy Hanes(d), Don Lamond(d), Stan Levey(d)
曲目:
'There's a small Hotel', 'I've Got You Under My Skin', 'What's New', 'Too Marvelous for Words', 'You Stepped Out of a Dream', 'My Old Frame', 'Long Island Sound', 'Indian Summer', 'Mar-Cia', 'Crazy Chords', 'The Lady in Red', 'Wrap Your Troubles In Dreams', 'My Old Frame', 'The Lady in Red', 'Prezervation', 'Intoit'
Comments: タイトルでQuartetでなく、Quartetsになっているのは、3回の違うメンバーでの演奏を集めて録音されているからです。メンバーをみるとパーカーと一緒に数々のバップの名演奏を残したプレーヤーばかりです。弱冠20歳のゲッツがバップではないジャズでこれだけのメンバーと録音を残している。彼がその当時いかに光っていたかの証明です。あのレスター・ヤングの流れを感じさせる、静かさ(日本流に言えば詫び、寂びかな)を感じさせる完成度の高い音楽がここにはあります。それでいて、レスターにはないとてもリリカルな演奏、歌ものをこんなにも格調高く聴かせてくれる。ここでのリリカルな演奏の凄さは、この後ゲッツからは消えてしまうのだけれど、確実に数年後のマイルスの演奏には生きています。こんなに若い頃の演奏が先輩であるプレーヤー達にいろいろな影響を与えるということ自体に、彼の凄さがあるのかもしれません。それを感じさせる演奏が散りばめられたとっても聴き応えのある一枚です。
Plays 演奏者: Stan Getz(ts), Jimmy Raney(g), Duke Jordan(p), Bill Crow(b), Frank Isola(d)
曲目:
'Stella by starlight', 'Time on my hands', 'The way you look tonight', 'Lover come back to me', 'Body and Soul', 'Stars fell on Alabama', 'You turned the tables on me', 'Thanks for the memory', 'Hymn on the orient', 'These foolish things', 'How deep is the ocean'
Comments:前半の5曲くらいまでは、ミディアムまたはアップ・テンポのバップ的演奏でとってもノリのいい演奏が聴けます。でも、音はどちらかというとソフト・タッチでとても聴きやすい感じがします。これが彼の特徴です。それ以外の曲はバラード演奏、こちらはよりソフトな感じがしてマイルスのミュート演奏のような雰囲気が出ています。それととってもリリカルなアドリブがあり、この点もマイルスと似ていますね。でも、こっちのほうが演奏時期が早いのですけどね。スタンダードの歌曲をリリカルに謳い上げるという点では、彼がその先駆者かもしれません。もっと前の録音時期のものでは、よりその傾向が強いと言われてますが、私自身はまだじっくり聴いたことがないので、是非入手してみたいですね。でも、これだけでもいろいろな演奏が聴けてとっても満足のいく一枚だと思います。 「アラバマに星落ちて」は、キャノンボール・アダレイのよりファンキーな演奏もいいですけどね。アルトとテナーの違いもあるけど、こっちはクールさがよく出ています。アルトはどうしてもファンキーさが前面に出てしまう傾向にありますからね、その分ノリはとってもよくなるのですが。


'Verve Jazz
Masters Series
53 - Stan Getz
Bossa Nova'
曲目: 'Corcovado(Quiet Night of Quiet Stars)', 'Menina Moca', 'So Danco Samba', 'Manha de Carnaval', Voce e Eu', 'Samba de Uma Nota So(One Note Samba)', 'Doralica', 'Insensatez(How Insensitive)', 'Chega de Saudade(No More Blues)', 'Only Trust Your Heart', 'O Grande Amor', 'Winter Moon', 'Menina Flor', 'Samba Triste', 'Desafinado(Off Key)', 'The Girl From Ipanema'
Comments:
サンバのリズムにのって静かなテナーの響き、決して熱くなり過ぎないゲッツのクールな演奏がとてもよく合います。サンバの名手また多くの曲の作曲者である、アントニオ・カルロス・ジョビンとの共演も興味深い。決してジョビンの音を殺すことなく歌い上げている。また、ヴォーカルのAstrud Gilbertoとの共演でも彼女のやさしい歌声と協調するかのような音味がゲッツのテナーにはある。素晴らしいですね。久ぶりに堪能しました。普通は、こんなにボサノバが続いたら飽きてくるものなのに、ちっとも飽きが来ない。70分を超える演奏がす〜っと流れていってしまいます。曲も有名な曲が多く、知っているものばかりなので余計にそんな気持ちになるのかもしれません。今回ちょっと比較してみたいなと思い、前にNYで見たことがあるキャノンボール・アダレイのボサノバのCDを捜してみたのですが、見つかりませんでした。キャノンボールのファンキーでホットなアルト・サックスで同じ曲を演奏したら、ゲッツとは全く違う世界が味わえること間違いなし。しばらく、いろいろな所で探してみましょう。見つかったら、また紹介しますね。
GETZ & EVANS
Stan Getz
Quintet in Paris

with European
Friends

GOLD
COLLECTION