AMPLIFIERS

No.16 <ITT 3A/109B Single Amplifier>

単段アンプ、4号機です。 前回6384で確認した、ローサーがあまり響きを持たない真空管が合いそうということで、以前より興味があり入手しておいたITTの3A/109B(STCでは4021B)という通信用の3極管です。 Westernの通信管では、104シリーズと互換性があるようです。 フィラメント電流が、0.25Aと少ないので104よりも繊細なのかもしれませんが、104自体の音も聴いたことがないので、よく分りません。 久々の直熱管でハム等がでないか不安でしたが、交流点火でもなんとか聴けるレベルになりました。 前回の6384で大分ドライブの不足により、もともとでにくい低音の量感が望めそうになかったので、4033XをSVC−500に接続して755Eを鳴らそうと思ったのですが、これでもまだ弱いようなので、よりバイアス電圧の低いこの3A/109Bに登場してもらいました。 やっぱり単段は難しいですね。 出力インピーダンスのより低いプリ・アンプで、尚且つ充分な出力があればいいのでしょうが、なかなかうまくいきません。 3A/109Bでも試験機をヘッドフォン・アンプでドライブした時には充分な量感が出ていたんですが、どうでしょうか? 多分、0.5W〜0.6W程の小出力アンプですから、ターゲットはローサーで、ジャズとバロック(チェンバロやギター中心)が聴ければよしとしたいです。



今回も単段にしてみました。 この超低出力アンプは、しっかりドライブするのにはかなりパワーが要ると思うのですが、トランス単段で結構鳴ってくれます。 かなり厚みのある音が出てきます。 このあたりは、Westernの100シリーズど共通のようです。 古典通信管の実力は凄いですね、侮れません。 ITT/STC系の球からなかなか離れられないですね。 さすがに直熱管、高域の抜けがよくて、また響きがとても美しくでます。 SVC500との組み合わせでは、若干細身になるんですが、ちょっとプリへの入力を大きくしたら、充分なドライブ感が出てきましたので、今後ソースをもっと出力の高いものをさがしましょうかね。 小出力ですから、編成の大きな音楽では全く鳴らないと言っていいかもしれません。

CDのデジタル出力に真空管を使ったバッファー・アンプ付きのD/Aコンバーターを通して、プリアンプに入力してみました。 ゲインが増えたせいもあるのか、かなり音に粘りと力強さが出てきました。 以前にも感じましたが、こういった小信号の領域で真空管の増幅が入ると、音に厚みと粘りが出て音の密度が高くなる気がします。 これからの挑戦は、入力トランスや出力トランスに力強さや厚みのあるものを試して、もっと音の密度を上げてみたいと思います。 (Nov.2005)
構成: TKS50−ITT 3A/109B‐XE20S / PMC190M - GZ32 - CH20−150D 
出力: 約0.6W  負荷インピーダンス:16Ω   




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