AMPLIFIERS

No.4 <自作真空管式アンプ-WE300B Single 試作機 #2>

Amplifier: 入力トランスのみで増幅する単段真空管アンプ (推定5W)
使用真空管:出力管:米Western ElectricWE-300B、整流管:英Mullard CV-378(GZ37) 
使用トランス:タンゴ製パワー・トランス(MS-250CT)&出力トランス(XE-20S)、
入力トランス(6BM8シングル用の出力トランスを流用)
久しぶりの連続休暇がとれました。 暑いので力を込めてアンプを作る気にはなれないのですが、年内に602D用のアンプ等を作りたいと思っているので今回の休み中にテスト機の製作とファイナル機用の部品集めをしたいと思っています。
で、第一弾としては現行アンプのCV851シングルが苦手とするクラシックの大編成を聴けるアンプのテスト機1号です。 シングルである程度編成の大きなものを鳴らせる球は私の持っている範囲では845と300Bくらいですかね。 今回は久しぶりに300Bでテストしてみたいと思います。 とりあえずはシンプルな回路で球とスピーカーの相性を試したいと思います。 交流点火でどのくらいハムが残るかもテストしてみたいと思います。 4033Xの単段アンプを利用すればほんの少しの変更でできますので、これで300Bシングル単段アンプを作ってみます。 入力はTKS50では役不足ですので、小型出力トランスを使って、ヘッドフォン・アンプで強力な入力にしたいと思います。 で、とりあえず写真のテスト機完成。 約4時間というところでしょうか・・・。
う〜む、やっぱり大型のST出力管の迫力は凄いですね。 とても見栄えがします。 入力トランスはケーブルの長さの都合で内蔵したのでとてもすっきりしていますがこの大型管に釣り合う外観の前段球はなかなかありません。 この球の場合は見栄えで選べないですね。 ま、とりあえずルックスのいいものをゆっくり探しましょう。 ところで、問題の音はどうなんでしょうか?300B、今回は復刻版を利用してみました。 以前755等では響きが強すぎる気がしたのと、また604−8H使用の620Bではジャズ等の小編成で低音が出すぎた感じでした。 今回は同じ同軸の15インチ・ユニットですが随分箱が小さいので編成の大きなクラシックではCV851では低音の量が足りなくて雰囲気が出なかったのですが、さすがに300Bはスケール感を出してくれます。 それでいてジャズでも締りが悪いという感じはしません。 それよりなにより、やはり高音の響きが素晴らしい。 このLUXのヘッドフォン・アンプをプリの替わりに利用した場合、とても強力でかつ繊細な音がするのですが、バッファ・アンプを入れていないので時に硬さを感じるのですが、ここでは300Bのヨーロッパ球のような響きが硬さを取り除いてくれるので全く硬さが気になりません。 これが他のUS球との違いであり、この球の凄さなのでしょう。 やはり755Eでは響きが過多という感じがしますが、ホーン・スピーカーとの相性がいいのか602Dではよさばかりが目立ちます。 よく聴くとジャズのドラムのシンバルでは少し厚みが足りません。 これはヘッドフォン・アンプの癖も出ているのですが、この球自体もあまり高域に厚みがあるほうではないので、前段の設計で厚みを出せるように考えないといけません。 但し同じく特徴である柔らかく繊細な高域も殺してはいけませんので、なかなか難しそうです。 ハムはやはり許容範囲を超えますので、Final機では直流点火を考えないといけないでしょう。 でもクラシックでは相変わらず素晴らしいパフォーマンスを示してくれそうです。  (2006・July)







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