ボケ描写のいいレンズを光学式ファインダー機と電子式ファインダー機で撮影
ボケ描写のいいレンズを光学式ファインダー機と電子式ファインダー機で撮影
CAPA2016年9月号のコラムの結論は、ニコンD750のライブビュー画像がファインダーでも見ることができれば、すなわち本格的なライブビュー機の要望ですが、ここではそこで撮影した素晴らしいボケ描写の画像をお見せします。
少し改造したサムヤン24mmF1.4
円形絞りを
取り付けたペンタックス50mmF1.4
タムロン85mmF1.8
サムヤン
24mmF1.4
ルミックスGX8
ニコンD750
画面の周辺で点光源がぼけないような状況なので絞り開放でも口径食は問題ありません。そして右の拡大画像から分かるようにフォーカス面に収めた髪の毛の克明なシャープさ、そしてすぐ後ろのネックレスのボケには幾分「レンズの味」があり、右奥の髪の毛のボケなどがとてもいいです。開放画質の高さと画面中央ではボケ描写も良いことから、このレンズの魅力が発揮された写真です。タムロン85mmF1.8 F1.8開放 ニコンD750
拡大画像
_____________________________________________________馬場信幸
モデル/宮内ひかる
(セントラルジャパン)
画面の周辺付近で点光源らしきものがボケることから絞りを開放から1段絞ってF2.5にしたところ、口径食はほとんど気になりません。また軸上色収差が見事に補正されているために、高輝度部分のボケにも色が付きません。この色収差の補正は、CAPAで連載しているボケ描写のチェックでは、85ミリレンズの中では最高です。タムロン85mmF1.8 F2.5 ニコンD750
画面上部の周辺では点光源がぼけることから画面上部は余裕をとった構図で撮影し、上部を約10%トリミング。すると絞りが開放ながら口径食によるケラレはそれほど気にはなりません。フィルムカメラと違い、トリミングを前提に撮影できるのもデジタル一眼の魅力です。ちなみにフルサイズで2400万画素あればAPS−Cサイズで撮影してもちょうど1000万画素ありますから余裕でA3ノビにプリントできます。タムロン85mmF1.8 F1.8開放 ニコンD750
一つの平面上にうまく咲いているランの花がフォーカス面に収まるような撮影ポジションからAPS−Cで撮影。手前側の花たちにフォーカスを合わせていますが、するとやや後ボケになった花も柔らかくぼけています。タムロン85mmF1.8 F1.8開放 ニコンD750をAPS−Cサイズで使用
サムヤン24mmF1.4は、大口径F1.4のワイドレンズながら全画面にわたってシャープな結像と柔らかい後ボケを両立させた傑作レンズです。わずかに後ボケになったネックレスは滲んでいて味があり、後ろのボケも全画面にわたって柔らかいです。なお、このニコンマウントのレンズには電子接点があり、絞りなどのExif情報が得られるのも便利です。サムヤン24mmF1.4 F1.4開放 ニコンD750
拡大画像
背景で点光源が中くらいにぼけていますが、絞り開放ながら画面周辺でも口径食はほとんどなく、さらに二線ボケになっていないところが、このレンズの驚くべきボケ描写です。もちろんフォーカスを合わせたところは十分なシャープさで、そしてやや後ボケになったネックレスは滲むようにぼけており、ここに「レンズの味」があります。日本のメーカーでなぜ、このようなボケ描写の良い大口径ワイドレンズが作られないのか、歯がゆい思いです。サムヤン24mmF1.4 F1.4開放 ニコンD750
GX8のデジタルズームを2倍にした約200mm相当の狭い画角でハナスベリヒユの一輪を撮影。後ボケはとても柔らかく、わずかに後ボケになった花芯の滲み方がとても心地いいです。被写界深度の深い撮影システムですが、このように撮影倍率が高くなる撮影ではボケ描写やレンズの味が楽しめます。ペンタックス50mmF1.4 F約2.8 ルミックスGX8
ペンタックスの50mmF1.4は開放付近ではクッキリと二線ボケが出ますが、F2.8に絞ると二線ボケも消え、わずかですが味が出てきます。しかし円形絞りではないので点光源のボケは8角形になってしまいます。そこで黒い紙で作った円い絞りを組み込んだことでボケも円くなります。ただマイクロフォーサーズにおける50mmで絞りがF2.8くらいなのでこのようなウエストショットでは背景のボケ量はわずかです。それでもボケの質はとてもいいです。ペンタックス50mmF1.4 F約2.8 ルミックスGX8
ニコンD750で撮影した同じランの花ですが、撮影サイズが小さいこととF2.8あたりまで絞っていることで被写界深度が深くなります。それでもやや後ボケになったランや背景のぼけは、とても柔らかいです。ペンタックス50mmF1.4 F約2.8 ルミックスGX8
ソニーのAマウントで購入したサムヤン24mmF1.4に少し手を加え、マウントアダプターを介してGX8で撮影したものです。フォーカスを合わせたところはややハロが出たことでソフトフォーカスっぽくなり、イヤリングや髪の毛の滲みがきれいです。さらに背景も滲むようにぼけています。このレンズの改造についてはこちらです。サムヤン24mmF1.4 F1.4 ルミックスGX8
拡大画像
全画面で均等かつ美しい背景のボケは、やや手を加えたフルサイズ用大口径24ミリをGX8で標準レンズの画角で使うという余裕から生まれたものです。サムヤン24mmF1.4 F1.4 ルミックスGX8
上の状況で絞りをF2に絞ったところで、フォーカスを合わせたところはコントラストが向上し、点光源のボケは素直になり、面積のある被写体では当然ですが柔らかくぼけています。サムヤン24mmF1.4 F2 ルミックスGX8
撮影距離をやや離したところで、まさに背景のボケに「レンズの味」が出ており、このようなボケはとてもきれいで、新鮮です。なおこのページの写真は、レフ板やフラッシュは使わず、すべてその場の自然光で撮影しています。サムヤン24mmF1.4 F1.4 ルミックスGX8