掘りごたつ席で正座の謎

2011年3月10日

1月のことでしたが、毎月の墓掃除のために生家に行っていて帰りが遅くなったので、食事をして帰ろうということになりました。最初は車を置いて歩いて行ける範囲にしようと思っていたのですが、その日は寒かったので車で行くことにしました。車で行くのなら歩いては行きにくい場所にしようということで、家からは少し離れた場所にある豆腐料理の専門店に行きました。

そこは最初は街中にあったのですが、数年前に移転したのです。前の店には行ったことがあったけど移転してからは行ってなかったので一度行ってみようと話していました。

予約してから行くと、中庭の隣の席に案内してくれました。個室ではないけれどもゆったりとした空間で、中庭との境の大きなガラス側には6人がけくらいのテーブルが2つだけでした。反対側の席とも離れていて落ち着いて食事ができる雰囲気でした。

おじさんたちの手前のテーブルには誰かを待っているような男性が一人だけ座っていたのですが、掘りごたつ式のテーブル席でなぜか正座していたのです。別に正座が珍しいということはありませんが、例えばお茶をしているとか、あるいは剣道をしていて正座には慣れているという感じではなく、とにかく違和感があったのです。

その違和感が間違っていなかったことにすぐ気がつきました。席について足をおろすと、寒いのです。開店間際だったので、足下の暖房がまだ効いていないのかなと思って尋ねたのですが、足下にはホットカーペットのようなものもなく全く暖房の設備がないのです。

これまでの経験では足下に暖房がない方が多かったと思いますが、この時のように寒いと感じたことはありませんでした。テーブルが大きかったので足下に暖気が届かなかったのでしょうか。とにかく寒かったので、たまらず足を上げて胡座を組みました。これが男性の正座の理由だったのです。

最近、掘りごたつ席の店が増えてきたようですが、単に流行りだからとか良さそうだからというのではなく、寒さの問題なども考えて取り入れて欲しいなと感じました。

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