信号待ちでの停止位置

2009年2月20日

「このとき、あなたは何に注意しますか?」
 知っている人も多いと思いますが、JAF(社団法人日本自動車連盟)の発行する機関誌「ジャフメイト」にこんなタイトルの事故回避トレーニングのページがあります。一枚の写真を見てどんな危険が潜んでいるか予知するものです。

「無理矢理最悪の状態を引き出しているんじゃないか」という人もいるかもしれませんが、安全運転を心がけるには役に立つページだとおじさんは思っています。

そこで問題です。ジャフメイトを真似したわけではないのですが、次の2枚の写真を見てあなたは何を感じますか。

この写真は信号待ちの様子を撮ったものですが、おじさんが問題に思うのは上の写真の停止位置です。左に寄り過ぎだと思うのです。左の路側帯を越えてはいませんが、写真でわかるように道路の中央まではまだ余裕があります。下の写真のようにもっと右に停止することができるのです(撮影した場所の違いと停止線との距離の関係で、右側のスペースが正確に表現されていません)

「いや、それではダメだよ。右方向から大きな車が来て左折する時には、中央寄りに停止していると邪魔になってしまうよ。だから左の車のようにできるだけ左に停止する方がいいんだ。」という声が聞こえてきそうです。そういう考えの人が多いのかもしれません。でもそれは車の立場での考え方ですよね。歩行者の立場では、このような停止は非常に邪魔なのです。

この信号の先には小学校があります。それでこの道路も小学生が沢山通ります。この写真で見ると車の横には何とか人が通れるくらいの幅はありそうです。でも、すぐ横に車があるので圧迫感のようなものも感じるだろうし、嫌でも車を意識して通らなければなりません。決して気持ちよく通れるだけの幅ではありません。

当然自転車は通れませんし、ベビーカーやシルバーカーも困難でしょう。また停止線の先には電柱があるので、停止線を越して停止していたら歩行者でも間を通ることできないでしょう。

電柱や標識等の障害物がなく、充分な幅のある歩道が整備されることが望ましいのですが、全ての道路にそれを望むことのできないのが現状です。それでもこの写真くらいの道路であれば、下の写真のように少しでも道路の中央寄りに停止することで歩行者の通行部分が確保できます。

道路は車だけのものではありません。車を降りれば運転者も歩行者になりますし、子どもは常に歩行者(または自転車)なのです。歩行者を大事にすることは、自分と家族を大事にすることにつながると思います。運転者の皆さん、歩行者を意識した運転をしてみませんか。

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