カーブの曲がり方

2008年11月20日

子どもの頃のことですが、のこぎりを使っていると「のこぎりは引いて切らんといかん」と、父によく言われました。皆さんご承知のように日本ののこぎりは引く時に切れるようになっています。「ちゃんと引いているのにどうしてそんなことを言われるのか分からない」という思いでした。実際は「押しても切れないぞ、引いているつもりかもしれないが押す時に力が入っているぞ」と言われていたのだと思います。

もう一つ、何度か言われたにも関わらず理解できなかったことがあります。運転免許を取ってからのことですが、「左カーブはセンターラインを意識して、右カーブは左の白線を意識して曲がるといい」ということを叔父からよく言われました。

私の実家は大小140ものカーブの続く山道を越えないといけないので、自分では山道の運転も慣れているつもりでした。だから、よけいに何を言われているか分からなかったのかもしれません。

言われていることが分かりだしたのは、運転を始めて10年以上経って、自分の運転技術は未熟だと認めだしてからだったと思います。ここでいう運転技術とは、レーサーのように自由に車をコントロールできる技術や、反射神経が優れていて、咄嗟の時にでも素早く反応することができる技術のことです。

運転技術の未熟な者が運転するというのは危険きわまりないことだと思われますよね。でも、安全運転というのは、いかに危険を回避するかだと分かったのです。常に危険を予測して、危険な目に遭わないような運転をするということです。そのためにはどのような運転が危険を招くかを知らなければなりません。叔父が言い続けてくれたことはその一つだったのです。

多くの人がカーブを曲がる時に車線を守っていないとしたらどう思いますか。きちんと調査をしたわけではないですが、多くの人が右カーブではセンターラインを超えて走っています。左カーブでは左の白線を越えて走っているのです。

運転に影響がないように、カーブの多い道路で前を走る車を見て下さい。また対向車を見て下さい。おじさんの言っていることがウソではないとわかると思います。また、この前走ったスカイラインではセンターラインとカーブの内側の白線が消えかかっていました。直線でははっきり描かれているのにです。それはいつも踏まれているからではないでしょうか。

左の白線を越えるとそこは路側帯というようです。歩道のない道路では路側帯が歩道になるので車は通行できないはずです。歩行者や自転車の通行を妨げるだけでなく、見通しの悪いカーブの先に歩行者や自転車が居たら避けきれない、あるいは避けようとして反対にセンターラインを越してしまい対向車と衝突ということも考えられます。

右カーブでセンターラインを超えることの危険性は容易に想像できると思います。その危険は対向車も巻き込むのです。おじさんは山道を運転する時は左カーブに気を遣います。今書いたように対向車(対向車は右カーブになる)がこちらの車線に入ってくるからです。センターラインのない山道では特に危険を感じます。

センターラインを越して走る方が近道だ。と言う人がいるかもしれません。近道をして時間とガソリン代を節約しても事故を起こせば何にもなりません。きちんと車線を守って走ることが基本なのです。

道路の曲がり方を意識していなかった人は是非自分の運転を確かめてみて下さい。そして、もし、車線を越えた運転をしていれば、「左カーブはセンターラインに沿って、右カーブは左の白線に沿って曲がる」ということを意識してみて下さい。きっとカーブの曲がり方が変わると思いますよ。

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