おじさんの出身高校の校訓は「質実剛健」です。その高校の後輩二人とは長い付き合いをしていて、今でもよく飲みます。
飲もうという話はすぐにまとまるのですが、どこで飲むかとなると、これがなかなかまとまらないのです。「たまには雰囲気を変えよう」とか言うのですが、誰も店の名前を出さないので、結局いつも行く、2・3軒の居酒屋のどれかになるのです。
店に入って、「まずビール」までは問題ないのですが、料理の注文となるとまたなかなか決められないのです。
それで、この三人の中では「質実剛健 優柔不断」が校訓(?)となってしまったのです。これは三人が一緒の時だけでなく、おじさん自身も優柔不断なのですが。
2年ほど前の事ですが、「米国ドル建個人年金保険」を勧められた事があります。ドルを買って一定の期間貯金しておくと、高利率で利子が付くというようなことでした。
生命保険を契約している保険会社に、保障のことで問い合わせをした際に不適切な対応をされたことがあり、そのお詫びにお得なプランをご紹介、という雰囲気で勧められたのです。
その頃で利率が4%台の後半だったように記憶しています。例えば100万円で5年間の契約だと利子を合わせて150万円になるというように、かなり良い条件の説明を受けました。おばさんに相談すると、ちょうど満期になった定期があるというので、それで契約してもいいかなと思って検討していました。
最初にその話を聞いた時は、円が高くて1ドル109円ぐらいだったと思います。それからすぐに115円前後になっていました。ドルを買うわけですから、当然円高の時に買う方が有利なわけです。逆に後で円高になると円に戻した時に元金が減るということになります。
色々調べていると、手数料も結構かかりますし、途中で解約すると利率もずっと低くなります。結構リスクの高いものなのです。担当者からは何度か勧められましたが、結局踏ん切りが付かず、そのままになってしまいました。
数日前にインターネットでニュースを見ると、見出しに「1ドル95円台」の文字がありました。契約しようと思っていた頃より20円以上も円高なのです。100万円で契約していたとしたら、20万円くらい損をした計算になります。
その時に思ったのです。「あの時踏ん切りが付かなくて良かった。おかげで損をしなくて済んだ。優柔不断も捨てたものではないぞ。」と。
でも、3年後に満期を迎える頃には、逆にドル高で140円くらいになっていたとしたら、「優柔不断のせいで損をした」と思うのでしょうね。