これまでにも書きましたが、建築中は頻繁に見に来ていました。たまにはコーヒーの差し入れもしましたが、建築中の写真を撮ることと、何よりも現場を見ることが好きだったからです。
ある日気がつくと窓のサッシが取りつけられていました。棟上げをしてからは比較的早い時期です。ちょうどその時に設計士が来て、見て回りました。その時です。
「リモコンのスイッチに手が届きませんよ。」と言うのです。
「エーッ!」と思って見てみると、確かに届きません。そこは階段上部の窓でリモコンは窓の左側に付いています。窓の右が階段の最上段で、左は何段か下がっています。そのために届かなくなっているのです。
それならリモコンを右に付け替えたらと言うと、このシャッターはリモコンが左側に固定されているので、変更できないと言うのです。
おじさんはすぐに対応策が浮かんでくるので、いざとなれば棒でリモコンのスイッチを押すか、リモコンを操作するリモコンのような仕組みを作ろうかと考えました。
その時は一人で見に行っていたので、帰っておばさんに報告しました。すると「それは何かおかしいんじゃないの。おじさんがそんな大事なことを確認していないはずはないでしょう。」と言うのです。
そうです、きちんと調べていました。メーカーも機種も調べてサイズごとの型番も調べていたのです。それで最初の段階では一番高い機種で見積もりされていたことに気がつき、希望の機種で見積もりし直してもらったことを思い出しました。
ところが実際に取りつけられたのは一番安いクラスのものでした。それでリモコンに手が届かない、左右も変更できないということになったのです。
−続く−