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オオクワガタオオクワガタ飼育部屋
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オオクワガタの幼虫の飼育方法

オオクワガタの幼虫を育てる方法としては、材飼育・発酵マット飼育・菌糸瓶飼育の3種あります。

材飼育は昔ながらの育て方で最も自然に近い育て方です。
ただし成長にはかなりの時間を要します、その分丈夫な成虫が期待できますが大きくなりにくいです。
発酵マット飼育は材飼育より大きくなるのが特徴ですが、現在はより大きくなる菌糸飼育が主流です。
まだ弱い初令幼虫の飼育には適してます。オリジナルのマットを作り出したりする楽しみもあります。
菌糸瓶飼育は短時間で簡単に大きく育てられるのが魅力ですがコストはかかります。
マット飼育などと違い水やりなどをやる手間が省けられるのも魅力ですがある程度の温度管理は必要です。
ここでは菌糸瓶による飼育方法を紹介します。

項目
1.割り出し 2.菌糸瓶の種類 3.菌糸瓶投入・交換 4.蛹化と羽化


1.割り出し

割り出しはメスが産卵し孵化した幼虫を産卵木から取り出す作業です。
産卵の準備は成虫の飼育法を参照
取り出した産卵木を割って幼虫を取り出します。固い場合はドライバーなどで割ります。
その際には幼虫を傷つけないように常に気をつけるようにします。
できるだけ取り出した幼虫は手で触らないようにします。
割り出しが早い場合はまだ卵が残っている場合があります。
割り出しが遅いと幼虫同士で共食いしてしまう場合があります。
割り出した幼虫はまだ弱いのでまずは発酵した昆虫マットを入れたプリンカップなどで
1頭づつ飼育するようにします。
幼虫は体内のバクテリアの力を利用して食事をとるので
この時期に発酵済みのマットを食べさせて体内のバクテリアを補わせるのが狙いです。
発酵マットは市販のものでOKです。

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2.菌糸瓶の種類

菌糸瓶は木屑などのベースに茸菌を植え付けたものです。
さまざまな物が市販されていますが、以下の特徴があります。

瓶の種類
・プリンカップ
 割り出したばかりの幼虫の一時飼育や一時的な管理に使います。
・ガラス製品
 ペットボトルに比べ熱がこもりにくく、透明の為観察しやすいので扱いやすいです。
 ただガラス製品は割れやすくコストが高いというデメリットもあります。
・ペットボトル製品
 コストが安いため現在市販の主流になっていますが熱がこもりやすいという欠点があります。
 また半透明のものは中の様子が観察しにくいです。
・ブロック
 自分で菌糸瓶に詰める場合は菌糸ブロックを購入したほうが経済的です。
 自身でオリジナルの添加物を加えて、オリジナル瓶を作る人もいます。
 

ベース
菌糸は粗めのチップの物が長持ちしますが、細かいチップのものは幼虫が食べやすいです。
またブナを用いたものは長持ちしますが、クヌギを用いたものの方が劣化が早いため幼虫は食べやすくなります。

菌糸の種類
・ヒラタケ菌
 最も主流の菌糸で雑菌にも強くさまざまなヒラタケ菌があります。 
 代表的な市販のものはG-pot。
・オオヒラタケ菌
 比較的高温にも強く、雑菌にも強いので扱いやすい菌糸です。
 代表的な市販のものは大夢。
・ヒマラヤ菌
 ウスヒラタケとも言われます、ヒラタケとほぼ同じ特徴を持っています。
・カワラタケ菌
 高温で劣化しやすく、雑菌に非常に弱いのですが幼虫が栄養を分解するのを助けるのに非常に適した菌です。

どれが絶対というのはありませんが、投入後幼虫が上に出てきてしまうものはその幼虫には適していません。

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3.菌糸瓶投入・交換

菌糸瓶は基本的に初例や2令・メスはMビン(500cc程度)、オスの3令はLビン(1500cc程度)が適しています。
さらに大型が狙えるオスの場合はダルマビン(2000cc程度)のものに投入します。
菌糸の勢いが強かったり弱い弱令幼虫は菌糸に巻かれて死亡する場合があるので注意が必要です。
菌糸瓶を開けたら上の部分を少し取り除きます、空間があった方が酸欠になりにくいためです。
ビンの肩口くらいまで取り除けばよいと思われます。
幼虫を投入する際には専用スプーンやバターナイフなどを利用し、手では触れないようにします。
ビンに投入後に今まで育てていた菌糸のかすや発酵マットなどを少し加えてやると、
幼虫がなじみやすくてよいです。

菌糸瓶の管理
菌糸瓶は水分調整されているので保水する必要はほとんどありませんが、
菌糸が呼吸などや温度変化などで水が浮いてきたりした場合は取り除くようにします。
また底に水がたまるような場合は逆さまにしたりして余分な水分を取り除かないと羽化不全や溺れ死ぬ場合があります。
菌糸瓶は温度変化が少なくうす暗いところがようですが、
菌糸自体が生きているために温度は20度くらいから28度くらいがベストです。
26度くらいだと幼虫が活発に活動して大きくなりやすいようです。
温度が低いと菌糸が活発になりキノコが生えてしまい栄養を取られてしまいます。

菌糸瓶は基本的には3ヶ月くらいもしくは3分の1以上を食いつくしたなら交換時期です。
ただし、メスだとわかる場合は1本でできるだけ長く育てるようにします。
また青カビは幼虫によくないので大量に発生したら交換します。
菌糸瓶の交換は幼虫が暴れたり(瓶の中を激しく移動する事)してストレスが溜まり一時的に体重が落ちます。
瓶交換時は幼虫の体重を計るのが一つの楽しみになります。
幼虫の体重である程度の成虫時の大きさが予想できるからです。
おおよそですが3令幼虫の場合
幼虫の体重(g) 12 16 20 22
おおよそのオスの大きさ(mm) 50 58 64 69 72
おおよそのメスの大きさ(mm) 40 47 50 52  
成虫や蛹では大きくはならないので幼虫時代にいかに大きくするかが鍵です。

交換する際は幼虫の位置を確認して、スプーンやステックなどで周りを取り除きながら幼虫を取り出します。
交換は瓶への投入と同じ方法です、オスの場合はよく食べるので交換が多くなります。

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4.蛹化と羽化

蛹
人工蛹室内のメスの蛹
幼虫は蛹化と近づくと自分に合った蛹室を作り始めます。
蛹化が始まるとあまり動かなくなりしだいに色が茶色になっていきます。
この時期は羽化まで静かに見守る必要があり、
振動や温度変化に特に注意が必要になります。
なお、蛹は尻尾を振ることで体制を変えたりすることができます。
羽化が近づくと完全に色が茶色になりほとんど動かなくなります。

蛹室が壊れてしまったり水が溜まってしまったら
基本的には自分で作った蛹室で羽化させるのがよいのですが、
水が溜まってしまった場合や壊れてしまった時は
速やかに人工蛹室に移す必要があります。
ただ、前蛹の場合だと潜ろうとしたり、
なりたての場合は体がまだ固まっていないので
ある程度蛹になって数日してから移すのがよいです。
人工蛹室バケラッタ君など市販のものもあるので利用しましょう。 
羽化後はしばらくはそのままにしておきます、羽化から約1週間以上してから
昆虫マットを敷き詰めた飼育ケースに移すようにします。
いいくケースのセットの仕方は成虫の飼育方法を参照。
なお、羽化してからも3ヶ月くらいまでは幼虫時の栄養が残っているために餌は食べません。
またペアリングまでは半年くらいしないと成熟しないため向きません。

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