RD-20(РД-20)Soviet Version of BMW003 |
北京航空航天博物館、RD-20(РД-20)。RD-20は旧ソ連が第2次世界大戦後国内でドイツのBMW003を自国生産したJet EngineでMig-9に搭載されていた。ソ連から提供されたMig-9を中国は運用し、そのEngine整備も1951年から開始していた。そのRD-20が北京航空航天大学内の北京航空航天博物館に保存されている。以下のようにCut ModelでありBMW003の構造がよく分かる。 |
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Fig1 |
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BMW003と同様にEngineに流入する空気をOil Coolerに導く構造、SpinnerにStarter用のPiston
Engineがあるのも当然同じ構造。前方の蜂の巣上に見えるものがOil Cooler。 |
Fig2 |
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Fig 3 |
Engine
InletおよびOil Cooler写真 (Webの容量の関係上高解像度写真は別Linkとしています。) |
左上にOil Coolerが見える。ただOil Coolerを通過した暖まった空気をどのように利用したかは不明。Mig-9は胴体中央にEngineが配置されるのでこの暖まった空気がたまる部分(一番前方の区画)は胴体内でIcingする場所ではない。 |
Fig 4 |
左側の黄色に着色されている部分は最前方のBearing
CompartmentへのOil内部流路になる。外側のOil流路はこちらのBMW003 Fig
3を参考。 |
Fig 5 |
前方がOil Supplyで内部でOil流路は前方へと後方へは3本に分岐し円筒状のBearingに注がれている。後方がOil Scavengeのようで黄色の着色部に囲まれたCompartmentのOilを吸い出す流路になる。右側にOil Compartmentの密閉性を維持するLabyrinth Sealが見える。ずいぶん細かいFinである。 |
Fig 6 |
HPCのDisk/BladeとStator Vane。DiskはEngine中心を走るShaftと連結されているが、Bladeの重さとバランスをとるWebが備えられている。Vaneの内側には斜めに圧縮空気漏れを防ぐための大きなFinが備えられている。 |
Fig 7 |
左上に一本Fuel Nozzleが見える。BMW003の最も大きな特徴であるAnnular Type Combustorが当然踏襲されている。写真2の中央の三角形の部品は燃焼を促進するAir Blending Finである。CombustorにCooing Hole等は無く外側を流れるHPCからのAirのみで冷却されている。青色のShaftの横の銀色のTubeはHPT Bladeに冷却用空気を導くためのものである。 |
Fig 8 |
HPT VaneとBlade。どちらも板状の金属を翼形に成型しその中を冷却空気が通過するようになっている。BladeのTipから中のInsertが見える。これもBMW003と全く同じ構造になる。写真1の上部分に見えるのは可動式Exhaust Nozzleを駆動するGearbox。これは元々はEngine内の空気のつまりを改善する機構であるがその後ソ連では機体の方向転換に利用する本格的なThrust Vectoringが開発された。その源流はやはりこのBMW003にあると考えることが出来る。写真2はHPT VaneとBladeを前方から見たところ。Vaneには黄色に塗られた部分の上部分を通過したCompressor Airが導かれ冷却される。Bladeには左下の青色のShaftの上に見える銀色のTubeを通過したCompressor AirがDisk前面を通過しBladeの根元に導かれBlade Airfoilを冷却することになる。写真3はHPT Blade Diskを後ろから見たところ。Blade Rootの構造がよく分かる。 |
Fig 9 |
Exhaust Nozzle詳細 写真1 |
HPT Blade Diskと可動式Exhuast
Nozzleの全景。Exhaust Cone内も意外と複雑な構造であることが分かる。 |
Fig 10 |
1946年に初飛行したRD-20(РД-20)を搭載した戦闘機。Mig-15の登場により現役からは早々と退役したがが歴史的飛行機。 |
Fig 11 |
参考Web |
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