同じ会社でオレはずっと事務方でアイツはイケイケの営業マン。
それまでずっとすれ違いだったのに同期会のコンパでたまたま同席して
酒を酌み交わしたのが付合いの始まりだった。
そしてアイツと寝るようになって3か月、間違いの始まり、あの一夜からずっと
一方的に抱かれてばかりいるせいで体重が3キロ減った。
毎日社内でキーボードを打ち椅子を回転させるくらいしかない運動不足の体で
体力も筋力も衰える一方な適齢期に、バリバリの営業マンとの
セックスは全身運動でしかも重労働なのだと今更思いしらされたこの頃だ。
アイツが伸しかかってオレに強いる体勢の色々は柔軟体操みたいな
もので三つきも続ければ充分なダイエット効果が出るのも必然かと思えるハードさだ。
次第に慣れて硬かった筋も伸びてくれば体の快感も増しだして全身の
血行まで良くなってくる。
背筋腹筋が鍛えられ腰が柔軟になり尻までも余計な事に柔らかくなるよう揉み込まれた。
アイツを好きかと聞かれれば好きだと言えるが、今は恋のような甘ったるい
好きでない好きだ。抱かれているオレにはいつもしょっぱい感情ばかり
心に積もるばかりで嫌いではないアイツをどう決済すれば良いのか分からない。
体ばかりアイツの熱に浮かされて震えている、押しつぶされるオレは
何か恐くて見つめて来る視線を結ぶ事が出来ない。

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仕事疲れがピークの週末、雄の本能とゆうか欲望の勢いで抱いてしまって早や3か月。
まさかこんなに嵌るとは自分でも信じられない現状だ。
俺は初めて男にのしかかり好きにした。
アイツも男は初めてで手抗するにも体力差から好きにされまくり凄く痛がって苦しがった。
その時のオレは一方的に良くてまさかの意外な行為を夢中で楽しんでやった。
それで抱く側の男の責任とゆうか使命感でもって、つい
相手も良くしてやりたいと思ってしまった。
それから無理矢理に努力し励んでみればアイツの反応が段々良くなるのが解って
、どんどん俺の体と馴染んで来るのが実感できたりして。2、3回でやめる筈
だったんだけど計算がくるった。
アイツに逢ううちに通じる友情じみたよしみやら体の馴染みもあってか
手放せなくなった。
こんなふうにするのは好きになったのだろうかと自問するほど
ヤバいくらいアイツで感じてる。
さんざんっぱな抱きしめて疲れきったアイツの顔が好きみたいだ。
キスするとその意味が分からずに迷う視線と慣れて開く唇、諦めたように伏せる瞼、
飽きれたふうにつく溜息にオレは欲情する。
そしてまた一緒に良くなりたいと色っぽい横顔を眺めて思うんだ。
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_幸いな事にアイツと同じ会社だからって殆ど合うことはない。
もともと配属部署が違うのだから普通にしてたら精々知らずにすれ違うだけだ。
何時も一方的に電話が入り誘い出される。
断りの言い訳をしても体を重ねてきた事実は執拗で、繋がりは甘く俺を拘束する。
大抵アイツの出張明けで俺の都合に関係なくアイツが翌日確実に休みのとれるその日のウチだ。
自己中で周到過ぎる遣り口だが、必ず土産があってアイツの部屋で風呂と夜食も支度してある。
疲れてクタクタだろうにベットへ誘う口実にしてもわざわざ面倒臭い事をしてくれる。
_今更して来た事の意味を考えてる。まだ答えを見出せず繋がりを感じるだけ。
手放す事は考えないで、繋ぐ理由をこじつけて縛っている。
疲れきったオレが生存本能全開でお前と会えば、世間のタブーもクソも
屁のカッパでお前に夢中になれる。どんなセリフもひどく無茶な感じの事も
盛った本能のせいにできる。
何れ見える答えがそれを肯定しチャラにする事を無意識に信じながら。
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重ねるごとに慣れる行為は共同作業のようになって、精一杯の汗は互いの体に滲んで
浸透して、濃ゆい息吹きは二人の場所を満たしている。
真実の高みが目の前にある_
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