「嫌っ、だっ…」と小田。「…ホントに?」と弓削が小田の肩に顎を乗せ聞き返す。
小田の上半身は壁に押しつけ、腰を後ろの弓削の方へ引き寄せる。
足を入れ膝を開かせて、ズボンの前を開き手を指し入れる。
「あっ…」と強ばる小田に「…じゃぁ、もっと優しくしよう」と弓削が言う。
密着した二人の間が熱くなる。
胸を押さえられ息も声もままならない小田はその代わりに涙と先走る焦りの滴をこぼす。
身体が震える。弓削の愛撫は打ち返す波の様に快感を沸きたたせ、堪えても
溢れてくる滴は全身を濡らす様に流れ出る。
それを弓削の手がからめ取り、身体全体にまで染み込むように撫で上げ絞めつける。
指先がその裏筋の流れを伝い滑りに添って窪みで留まる。
それから場所を確かめる様につるりと撫で小田の中で力を込め指を立てる。
小田の切っ先と奥の奥を。
「っ…う_あぁっ…はっ、んっ…!」小田は叫ぶように喘ぐ、それと吐精する。
火のついた身体に油を注いだ前からの突き抜けた快感は余韻を響かせ、震える内臓に
感じる後ろの違和感が余計にその存在を気づかせる。中に潜り込んだ弓削の指を。
「あっ、嫌っ…嫌っつ。…弓削さん…弓削さん…」息を切らしながら。
「まだたりないだろう…」
「違っ…弓削、さん…あんぅっ…いッタイ」
逃れられず判らない感覚に感じている小田、溺れたい欲求に駆られるが後ろからの刺激に困惑する。
快楽が身体を制御して、肉をきつく締め吐き出さんと絡み付くために
今中に何が有るのか嫌でも感じ、また我欲までも煽っている事が解ってしまう。
後ろから背筋をさかなで悪寒が走る感じ、なのに強く甘い感覚も付いてくる。
息が乱れたまま収まらない内から身体が震えだす小田。
弓削は小田を後ろから抱いた姿勢で小田のその震えを受けとめながら微笑んでいる。
「小田君。まだ前戯の途中なのに…」
「あっ、嫌っ…嫌っだ。…弓削さん…弓削さん…」
「またこぼれて来てる。そうとう溜まってるんだろ」
「違っ…弓削、さん…あぅっ…_抜いて。それっ。やめ、て……お願いですっ、か、ら…!」
「嫌ですっ…違っ…あぅっ……出してっ」
「小田、君は俺にさんざん好き放題しといて、俺には楽しませてくれないって?
さっきもこの手でイったくせに…こんなに堅くして。俺の手、ほら、
こんな…ベトベトだ…」
と弓削は壁に張り付けていた小田を引き寄せ、その濡れた手をかざして見せる。
小田は羞恥に目を瞑るが、すかさず弓削が身体に埋めた指を蠢かし気をそらす事を
許さない。甘辛い衝撃が突き抜ける。
「っあっうっん…ん_」小田は口から飛び出す喘ぎと共に背を反らせ、その強烈な衝撃に
耐えて震え続けていた膝がガクッと抜け身体が落ちる。
弓削は指を埋めた手を小田の股間から抜き、崩れ落ちる身体、腰を抱き留める。
その瞬間小田がブルッッと震え、また白い体液を放つ。
二人はそのまま下に腰を下ろす。
後ろから弓削がキュッと抱きしめ小田の耳に「またイッた」と呟く。
それから身体をずらし、まだ息の整わない小田の身体を床に組み伏せた。
「弓削さん、こんな…こんな酷い悪ふざけ、俺で遊ぶのはやめて下さい」
「酷いって…こうなったのは初めから君のせいだぞ。だから付合えよ。
どう見ても君の経験値はいかにもで、抱いてる女にいかされてれてそうな君は、
抱くより抱かれてろってゆうか…君の場合そっちの方が向いてないか?」
「俺だって他人の息子を握るのも、手にザーメン絡めるのも今夜初めて君でやった。
君のその身体の反応も快感の声も…何故だろうな、好い感じに下腹に響いてくる。
男の君でもいいかってその気にさせてくれるよ。」
「違う、それはあなたが勝手にっ…」小田は苦々しく声を荒げるが
「試してみよう…俺が実験台になってやるから。」と有無を言わせず主導権は決して譲らない。
弓削は小田の精液で濡れた手をのばし「それにこんな物で汚れたズボンじゃ帰れないだろ。」
と言ってズボンの上から太股、内股へと手をなすり付けるように撫で上げる。
神経をいたぶり、快感中枢に直リンクでシンクロをするよう誘導する。
小田は身体をさらわれ心まで引きずられそうになりヒクッとすくみ上がる。
また恥ずかしい声をあげそうになり唇を噛む。拒絶の手は払われ弓削の身体が絡まり
付いてくる。弓削の舌が唇を嘗め、小田の唇に吸い付く。女を抱くように優しく甘く
愛撫を繰り返し閉じた唇が綻ぶとすかさず舌を差し入れからめ取る。
慣れた弓削のキスで小田の唇は理性を自我を熱い唾液が弛緩させ抵抗を中和するまで
執拗に貪られた。
いつしか熱く沸き起こる熱は止めどなく身を焦がし、熱を逃がす道を求めて相手に縋り求める。
解放の一瞬にたどり着くため、高みを求める小田の身体を弓削が押し開く。
熱にふやけて弛緩した身体の中へ一本、二本と指を埋め増やしていく。
小田の抵抗は行為が深まる度に一瞬強ばりをみせるが、すぐに受け止めるように柔らかくなった。
挿入は濡れそぼる程にじみでた二人の先走りを掬って宛い滑らかに突き入れ、
直な密着感が熱く艶かしい感触に濁々とした欲望を煽り、引き連れる肉は縺れながら
絶頂へと激しく二人を打ち上げた。
解放の波は一瞬にして弾け跳び糸を引く甘ったるい痙攣の過ぎた後も痺れが体に纏わりついた。
s+b*/***へ
|