平成28年「万葉集カレンダー」
               (2,016)                                    

 1月 新しき年の初めに豊の稔 しるすとならし雪の降れるは (巻17 葛井連諸会)
 
 2月 雪をおきて梅をな恋そあしひきの山片付きて家居せる君  (巻10 読み人知らず)

 3月 難波辺に人の行ければ後れ居て 春菜摘む児を見るが悲しさ  (巻8 丹比屋主真人)

 4月 去年の春逢へりし君に恋ひにてし 桜の花は迎へ来らしも  (巻8 若宮年魚麻呂)

 5月 あしひきの山ほととぎす汝が鳴けば家なる妹し常に偲はゆ (巻8 沙弥)

 6月 人言は夏野の草の繁くとも妹と我れとし携さはり寝ば  (巻10 読み人知らず)

 7月 我妹子が家の垣内のさ百合花 ゆりと言へるはいなと言ふに似る  (巻8 紀豊河)

 8月 穴師川川波立ちぬ巻向の弓月岳に雲居立てるらし  (巻7 柿本人麻呂)

 9月 家離り旅にしあれば秋風の寒き夕に雁鳴き渡る  (巻7 読み人知らず)

10月  我が衣にほひぬべくも味酒 三室の山は黄葉しにけり  (巻7 読み人知らず)

11月  経もなく緯も定めず娘子らが織るもみち葉に霜な降りそね  (巻8 大津皇子)

12月  我が背子とふたり見ませばいくばくかこの降る雪の嬉しからまし  (巻8 藤皇后)


 
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