ロ ウ ソ ク


     山小舎を ともす いのちの人
    二人の恋を 見つめる 愛の人
    去ろうとする その時にさえ 生を教えん
    残らぬはない その身の
    おごそかな 旅立ち
    
    思いとどまることもせず 身を飾ることもなく
    やわらかな光を注ぎ
    夜ごとの語らいに 思いをしのばせ
    静宴の 机上人と戯れる
    限りある 命を燃えて
    ああ 机上人
    知ってか 語らいの 夜の短さを


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