語  ら  ひ

  向かひて語る 一燈のもと
  われ 甘えたし
  けだし それは夢
  流れし時は 早く
  語らひに 込めた
  この胸の奥の
  ひとかけらすら
  伝えられず ただ・・・




     編 み 物

  私のお部屋が あんまり淋しくて
  木枯らしの夜には
  風に乗って 私の心が伝わるようにと
  せっせと  毛糸をたぐるんだけど
  私のお部屋が あんまり淋しくて
  どこからともなく
  すきま風が 吹き込んで
  私の瞳を 濡らしてしまうの


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