文 法 短 歌
高校生は、細かいことを覚える前に、「品詞」を理解することが重要です。「主語・述語・修飾語・その他」のいずれ
になるのか。活用があるのかないのかなど「表」になっていますので正確に覚えることから始めましょう。
〇ミは上にオノレ・ツチノト下に付きスデニ・ヤム・ノミ中ほどに付く
「巳己已」という良く似た漢字の覚え方。互いに似ていることを「已己巳己(いこみき)ともいう。
「巳」は蛇、「己」は自分という意味の「おのれ」と十干十二支の「土の弟」(「えと」は「兄弟」)
「已」は、(未然、連用、終止、連体、已然、命令)の已然で未然の逆
〇「だに」「すら」は(さえ)、「さへ」は(添え)、さみしい「り」
「〇〇でさえ」という時の(さえ)の意味で使われる古語は「だに」」と「すら」
古語の「さへ」は(さえ)という意味よりは(添え)で「付け足し」だから(その上に)というニュアンス。
(完了・存続)の助動詞「り」は「サ変」動詞の未然形、「四段活用」動詞の已然形に接続する。
だから「さみしい」となる。
〇手帳には「なむ」の識別、上代語。文法好きの少年躍如。
「なむ」の識別は面白い。先ずは1語なのか2語なのか。
1語なら、先ず(係助詞)「ぞ・なむ・か・や・こそ」の「なむ」が思い浮かぶ。
しかし、用例は多くはないが、他への希望を表す(終助詞)として使われることもある。
2語ならば、「な」(完了の助動詞「ぬ」の未然形)+「む」(推量の助動詞)で「完了+推量」
となるから「強意」。
「上代」とは、飛鳥から、奈良にかけての頃。「中古(平安)・中世(鎌倉・室町・安土桃山)・
近世(江戸)・近現代」とつづく。
日本語の起源を考える時、欠かせない。「ヤ行」「ワ行」はなぜあるのか。
「ゆ」「らゆ」「す」「ふ」などの助動詞の存在。(上代特有の助動詞で個人的に大好き)。
打ち消しや否定の意味の助動詞「ず」の未然形「な」連用形「に」の用例。
(連体形「ぬ」、已然形「ね」は一般的)
〇下一は「蹴る」の一語のみ。上一は「きみにいひゐ」と「鑑(かんが)みる」
「きみにいひゐ」は 「着る、見る、煮る、射る、干る、居る」。
「ゐる」には「率ゐる」も含まれます。
〇本質が似て非なるもの。異質だが「ワサビ」と「カラシ」、「にあり」と「ねあり」
「ワサビ」と「カラシ」はともに「辛い」と表現されますが辛みの主成分(本質)が全く
異なります。
「わさび」はアリルイソチオシアネート、「カラシ」は有名なカプサイシンです。
一方、調味料のような物質ではなく「言葉」という異質な世界で似たような関係にある
と思ったのが「にあり」と「ねあり」です。ともに「なり」の語源ですが「にあり」は(に在り)
で存在や所在を「ねあり」は(音あり)で音や声が聞こえるというのが原義です。
〇「古典助動詞」の覚え方
「る・らる・す・さす・しむ・き・けり・つ・ぬ・たり・り・むず・む・らむ・けむ・めり・べし・らし・
まし・まじ・じ・ず・ごとし・ごとなり・まほし・たし」ここまでは童謡「もしもし亀よ・・・」(うさぎ
とかめ)の替え歌として何度も歌い覚えました。この歌で足りないのは断定の「なり・たり※」と
上代語の「ゆ・らゆ・す・ふ」です。 ※「たり」を「完了・存続」と「断定」に分けた場合