いちまいの絵

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2023年7月

202307
【散土】
Scattered soil.
厚紙に和紙、水彩紙などでモルタル粉、墨、多種水彩でコラージュ。
25×30cm(額含まず)


今年の4月から始まった、自宅すぐ裏の法面工事(砂防維持修繕・雑草繁茂対策)が7月前に終わった。
本来緑地化対策で急傾斜を全部コンクリートにしなかったため、
毎年雑草を埼玉県指定業者で刈りに来ていた。
それなのに窪みの草土を除去し、人口土を散布・・・つまり、
セメント、モルタル吹付で真っ平にしてしまった。
たくさんのタラノ芽も育ち、花も咲いていた処。

今後は大雨の際に吸収してくれるものは無くなり、
ストレートに水が流れ落ちること必至で、
排水溝受入以上の線状雨雲土砂降りになった場合がとても心配だし、
日中の照り返しも高まるのは間違いない。

向こうにこうして見える武甲山も、
土日祭日以外の毎日、切削工事がされている。
午後12時40分にダイナマイトの響く音と噴煙。
海から隆起した石灰質の土・・ここにしか自然生息しない植物もあるが、
武甲山の肌は剥がされ散らされ続ける。

開発という名の元に「決まったことだから」と推し進められる工事。
「必要」という言葉や理由付けの影に、
「利権」「他を顧みない」という要素が根を張っていることを、
忘れてはならない。

自然界はどこかで繋がって成り立ち機能している。
人間が全体を見ずに我が物顔でふるまっていると、
いつか自然界からしっぺ返しが来る。
私はそう信じている。



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