コットン紙に交響水彩
(約400mmX500mm)
年を越せるだろうかと心配していた飼い猫フーが、
先月13日に息を引き取った。約10年間の生涯だった。
寒い冬の日に、他の猫と共に段ボールに入れられて、
放り捨てられたフーとの出会いは、何かの縁なのだろうか。
ブリーダーに叩かれたからか・・おびえて鳴きもしなかったが、
それでも私の所に駆け寄ってきた。
最初の感情を押し殺した表情は、やがて愛くるしい顔に変化し、
よく食べ、よく眠るので、長生きするなあと思っていたが、
急激に痩せて、カテーテルで食事を採らざるを得なくなった。
鼻や目に障害が出来ても、薬も、勝手が違っても、よくがんばった。
この絵は、フーが懸命に闘っているときに描いていた。
明日への階段、明日は来るよ・・そういう思いから描いていた。
しかし逝ってしまったので、あいつの軌跡も描いた。
本来なら、外の野原で駆け回り、陽を感じたかったろう。
フーと同じ箱で凍死していたアメショー猫は、
どういう関係だったかはわからないが、
空にある野原に上がって来れるように、尻尾を差し出している。
ちょっとイラスト的になってしまったが、
こういう表情を(フーは)していたのだ。
懸命に力を振り縛った表現での、カテーテルの覆い(ピンク衣)は、
実際はクリーム色なのだが、調整した。
たくさんの情報がありすぎるとは思うが、
あいつへの想い、オマージュでもある。
あっという間に、もう師走。
今年も、ホームページを見ていただきまして、
本当にありがとうございました。
ちょっと早いですが、来年もよろしくお願いします。
よいお年をお送りください。