風景画を進めていて時々
なぜこの風景を描きたいと思ったのかと
立ち止まることがある。
そう、それは自分が何故
切り取ったこの瞬間を美しいと思ったのか
ということと同じだ。
そこで自分は何を見、感じ、インストールされたのか・・
この絵の山道を歩いたのも、1年くらい前だ。
空は凍るように寒く、澄んでいた。
日差しを受けると温かく嬉しかった。
この独特の立ち並ぶ木々
その光と影のコントラストが
描きたい理由だったのだろうか?
集中して、自らに問いただすように描き進めると
わかってきた。
氷のように張りつめた空に、ヒビと亀裂を入れて
春に向かって溶かそうとするかのような枝たちの
重なり合ったライン
道に降り注ぐ様々な光のプリズム分解で騒ぎ立つ色たち
木々からの影が右と上にあり
左の木々からも交差する影たち
だから私はここを通ったときに
心地良さに はっと思ったのだ。
色、ライン、多種多様な要素
これは自然界に普通にある美しき現象なのだ。
よく誘いを受けるが
鈍感な私は、時々しか立ち止まれない。
今年も登ってみたら
また別のお誘いを受けれるかもしれないな。