いちまいの絵



2012年12月

201212
『青薔薇が咲く月夜』

紙に水彩、アクリルなど
460×360mm(額無しの大きさ)

青い薔薇は、どう交配しても出来ないらしく
現在、外国などで売られているものは
染色原理で変色させている
いわば邪道であって種類が増えたのではない。

花の中で王様と言われ
人生の素晴らしさの形容にさえ
薔薇色の・・と呼ばれる花・・・薔薇。

以前、夕暮れの雲たちを
薔薇の渦の印象で描いた作品
サンセット・ローズがあったが
対峙する一つの作品として制作した。

花びらが交差したり、渦になったりする様・・

吸い込まれるような月と月灯り
その畏怖と神秘的な美しさに呼応して
海面が騒ぎ立つ。
夜の波間が互いに当たって・・・
やがて海原から青薔薇の花が咲く。

あり得ない光景だが
絵を描くというのも、象徴的に言って
あり得ない美しさや、目に見えないが在ると
信じる夢を表現するようなものかも
しれない。

絵が、現実味を帯びるかどうかは
作家の内に、どれほどリアリテイと情熱があるかに
かかっているのではないだろうか。