いちまいの絵



2012年5月

201205
『レタスマウンテン』

ナチュラルワトソン紙に交響水彩など 四ツ切サイズ
個人所蔵

今年の春は寒くて、桜が遅く
蕗の薹も筑紫もハナミズキも同席して、
季節をゆっくり彩るはずの生物、植物が
躊躇しているかのような感がある。
本来なら、セピア色から黄土色(多量の花粉飛散)となって
ようやく少しずつ山々の色が新緑に近づく。
ほんの一週間ほど見せてくれる、新緑の手前の顔・・
それが、私が呼ぶ 『レタス色』だ。

秩父の冬の時期に移住した私は
木枯らしと曇天の中、苦痛を感じながら山を見つめ
その色合いの暗さに意気消沈したこともあった。
そんな私を驚かせ、精神を高揚させてくれたのが
この レタス色の山たちの姿だった。

新緑の時期の手前の わずかな時期・・
なんと瑞々しく美しいのだろう。
ありがとう と山に感謝した。
このモチーフは、何度も描いてきたが
繊細な色合いと私が受けた印象の色を
絵の具で出すことが難しく
なかなか・・だったが
この一枚は、その中の印象に近いものだ。
多くの方に見ていただけて、良かったです。