いちまいの絵



2008年5月
200805
『爺っちゃん婆っちゃん』

紙に交響水彩 八つ切りサイズ

こんな風に歳をとりたい。
知念(沖縄県南城市)の出会ったご老人の
円熟した顔・・・。
沖縄は単に観光で行く"綺麗な所"ではない。
本当にひどいことをされ多くの涙が染みた土地だ。
だから、こうした方の『越えた』笑顔が
とても印象的だった。
豊かな自然と太陽の恵みに、敬意と感謝の念を持つ。
豊かな海でサバニに乗り、美しい日の出、日没、月夜
老いても花を忘れない。
シーサーは、あ・うんに類似していて
片方は大きく口を開け、片方は噤んでいる。
前者は、外から良いものを取り入れ
後者は、取り入れたものを知恵を持って守る
一般的に前者が男の、後者が女のイメージがあるらしい。

沖縄のデパートで企画即売していた多くの作家の展示作品には
決まって沖縄らしい・・シーサー&ハイビスカス&円筒形の瓦屋根などが
セットになっていたようだが、私は『生々しい』『そこで生きている』
人物と恵みを描きたかった。
それが、この絵を描く動機となった。

描いている内に、何故か
私とパートナーの"あるべき"老後のようなイメージの
作品となった。
多くの方々に展示の際、反響をいただいた。