いちまいの絵



2006年7月
200607
『天引き網』

ホワイトワトソン紙 交響水彩 540×465
個人所蔵

岡山の津山で幼少期を過ごし
温暖な気候と大らかな人々に支えられて
夏に兄と遊んだイメージを描いた。

今はあまり見られない本当の夏・・・
にょきにょきと立ち昇る入道雲
必ずあった夕立
魚を陸へ引き上げるのが地引網なら
大切な記憶や育まれた思いを
引き上げるのは天だろう。

幼い我々を抱え、苦労した若き父母への
今は亡き父へのオマージュであるかもしれない。
時間を経たものの美しさは
積み上げる城壁の石に似ている。
思い出の津山城は、実は父と母が出逢った場所だと
私は後からそのことを知った。