一方、最初の目的地であるクロトックの海岸では、ムラスティと呼ばれる儀式の準備がすすめられていた。バリ・ヒンドゥ−では海は浄めの場所とされていて、ムラスティは神々を浄化する事が目的である。通常はサカ暦が新年を迎える前に各村ごとに行われるものだが、さすがに今回は大掛かりなものとなっていた。
一行が立ち寄る村の寺院では、様々な芸能が行われる。バリでは儀式のための芸能が、それぞれの意味あいにより2つのカテゴリーに分類されていて、例えば"ワリ"では、ルジャンやバリス・グデなどが挙げられるが、これらは純粋に神々へ対しての奉納の儀礼として行われるものである。一方"ブバリ"は娯楽的要素を持ち合わせており、中でもトペン(仮面劇)は踊り手の感性と高度な表現力が要求され、独特な間の取り方などは、日本の伝統芸能である「能」にも通じるものがある。寺院では延々とトペンが演じられていく中、聖なる山グヌン・アグンが夕日に照らされ、隆々しい峰を覗かせていた。
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