止まない雨の世界「雷雨界」

滝を上り洞窟の出口が見えてきた。
正男 「おっ、出口か?ようやくこのじめじめした場所から出られるぞ・・・」
ブライト 「滝は外から流れてきてるのか。外はどうなってるんだ?」
フレアに続いてブライト、ムーンも上がってくる。
そしてムーンに引き上げてもらった浩二が言った。
浩二 「あれ、この音って・・・」
正男たちは外に出て空を見上げた。
広がるのは青空ではなく灰色の雲。
そして滝を上ってもまだ空から水は降り注いでくる。
それが止むことなく降り注ぐ雨の世界「雷雨界」の姿だった。

フレア 「これは俺たちの世界にもあったぞ。雨だな」
ブライトもうなずく。
ムーン 「じゃあ雪の世界に続いて・・・今度は雨の世界ってことですか?」
ブライト 「みたいだな。しかし困ったな・・・」
ブライトは腕を組んで正男の持っている「太陽宝」を見る。
ブライト 「くもってて太陽が見えないと・・・霧を晴らすことができないんじゃないか?」
浩二 「ああなるほど・・・。でも試してみた方がいいんじゃない?」
その提案に正男はうなずいた。
正男 「そんじゃやってみるか。・・・よっ!」
正男は「太陽片」を投げると強い光が放たれた。
そして正男たちは目を開ける。
ムーン 「あっ・・・晴れてますね。」
ムーンが言う。しかしフレアは首をかしげた。
フレア 「いやでも・・・なんか向こうのほうはまだ白いぞ。」
フレアは周りを指さした。
正男たちの周りの霧は晴れているようだが、少し遠くに目を向けると景色は白みがかっている。
ブライト 「やはりちゃんと太陽が見えていないと効果が薄いみたいだな・・・」
正男 「でもどうすんだよ、ここ雨の世界なんだぞ?」
浩二 「雪の世界の時はたまたま晴れてただけだったもんね。すぐに雪降ってきちゃったし」
一同はうーんとうなった。
するとムーンが言った。
ムーン 「あの・・・もっと高いところに行ってみたらどうです?山とか・・・」
それを聞いてブライトが考える。
ブライト 「なるほどな・・・太陽に近くなれば少しは効き目が増すかもしれないな」
そして浩二が離れた場所にある山を指さした。
浩二 「山登るのは大変だけど・・・なんかあの山あたりの空、雲が薄い気がするよ」
正男 「じゃあ雲が厚くならないうちにあそこに行こうぜ。まずこの沼みてぇなところを越えるんだよな?」
そうして正男たちは湿地帯に足を入れ始めた。


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