神殿を出てしばらく進むと雪の壁に着いた。
浩二
「あれ、洞窟の中なのに・・・雪?」
浩二が雪の壁を叩く。
そして雪を見てムーンが言った。
ムーン
「・・・ちょっと明るいですね、外でしょうか?この雪そんなに厚くないかもしれませんよ?」
正男
「そうなのか?なら1回外に出ようぜ」
正男たちは雪の壁を掘り始めた。
ほどなく壁が崩れて光が漏れてきた。
フレア
「・・・また外に出たみたいだな。」
吹雪はまだ続いているようだった。
ブライトは周りを見て首をかしげた。
ブライト
「・・・ん?ここは・・・通ったことないか?」
そう言われて正男たちも道の前後を見る。
浩二
「・・・あっ!ここ、神殿に行こう、って言って通ってきた道の途中だよ!」
ムーンは掘りだした雪を見る。
ムーン
「じゃあさっき通った時は雪のせいで入口が見えなかったんですね」
フレア
「みたいだな。本当の入り口はこっちだったんだ。たまたま天井に穴が開いてただけだ」
正男
「なんだ、俺たち遠回りしてたのかよ・・・」
正男はため息をついた。
そのとき、景色を眺めていた浩二が言った。
浩二
「・・・ねぇねぇ、なんか向こうの方少し白みがかかってない?」
浩二は岩場の向こうの草原あたりを指さした。
見ると途中から白みがかって向こうが見えにくくなっていた。
浩二
「なんかさっき鳥に襲われたときから白かったような気がするんだよね・・・」
ブライト
「まさか・・・『霧化の霧』か!?また別の世界から霧が出てきたのかもしれん」
正男は呆れて言う。
正男
「なんで先に言わなかったんだよ・・・」
浩二
「ごめん、てっきり吹雪のせいで白く見えると思ったんだよ・・・」
フレア
「まぁ気づいただけよかったじゃないか。山を下りて行ってみよう」
正男たちは吹雪の吹くなか山を降り始めた。